フィンランドの携帯電話メーカーNokiaが、世界の携帯電話市場の成長予想を上方修正した。これは、一部の国家で、契約者数が予測よりも速いペースで伸びていることを受けたものだ。
Nokiaネットワーク部門のエコノミストIlkka Lakaniemiは米国時間9日、同社では、世界の携帯電話契約者数が2006年には20億人以上になると予測していると発表した。なお、現在の携帯電話契約者数は世界中で16億人とされている。
以前まで同社は、この数字を達成するには2008年までかかると予想していた。
ここ何年か携帯電話メーカーや通信業者にとって厳しい年が続いたが、Nokiaのこの明るい見通しは、世界の大人口国家のいくつかで契約者数が大きく増加している事実に基づいている。
「携帯電話のおかげで歴史上初めて、中国やインド、ブラジルのような国の人々が、これまで利用できなかった通信サービスにアクセスできるようになった」とLakaniemiは述べる。
現在インドには4300万人の携帯電話契約者がおり、同国の携帯電話市場は過去数年間で50%以上もの伸びを見せている。先週Nokiaは、携帯電話端末に対する需要の伸びに対応する取り組みの一環として、インドに新しい製造拠点を開設する計画を発表した。
携帯電話が利用されるようになってから約15年の歳月が経っているため、個人や企業向け市場の予測値を算出するのに十分なデータがそろってきたと、Lakaniemiは述べる。モバイル通信を利用する企業の生産効率は6%程度上昇するはずだとNokiaはいう。
Nokiaではまた、携帯電話の音声トラフィックが固定電話を上回る時期についても、予測を述べた。Lakaniemiによると、Nokiaは2007年には両者のトラフィックが同じ程度になると見込んでいるという。また、フィンランドではすでに、両社のトラフィックが同じくらいになっていると同氏は述べる。
今日の英国では、全トラフィックのうち70%あまりの音声データが固定回線上を通過していると、Nokiaは説明する。2008年までにはこの数字が60%以下に落ち込むと、同社では見積もっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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