PalmOneは、ライバルにあたるMicrosoftから、電子メールの同期技術に関してライセンス提供を受けることになった。
PalmOneは米国時間5日、MicrosoftからExchange Server ActiveSyncプロトコルのライセンス提供を受ける契約に署名したことを明らかにした。これにより、まもなく登場するTreoスマートフォンの新バージョンでは、電子メールのセキュアな配信が可能になる、とPalmOneは語っている。PalmOne(本社:カリフォルニア州ミルピタス)は、このソフトウェアを使ってMicrosoftの企業向け電子メール製品「Exchange」のサポートを拡大し、無線経由でもサーバと同期できるようにすることを明らかにした。なお、この契約の金銭面の条件は明らかにされなかった。
この契約により、Exchangeの電子メールをPalmOneの携帯端末に統合するためのサードパーティー製ソフトウェアが不要になり、両社の強力なライバル関係もおそらく終わりを告げることになる。
Microsoftは携帯端末向けにWindows Mobile OSを販売している。一方PalmSourceは、PalmOneの携帯端末用にPalm OSを開発している。両社はかつてPalm Inc.の2つの事業部だったが、現在はそれぞれが独立した企業として活動している。
Microsoftにとって、携帯端末との接続は、同社電子メールサーバの最新バージョンであるExchange 2003へのアップグレードを法人顧客に勧めるための重要なセールスポイントだった。これまでは、MicrosoftのWindows Mobile OSで動く携帯端末でしか、こうした機能を利用できなかった。だが、Exchangeのユーザーがそれでは不十分であることを訴えてきた、とExchange担当のシニア技術プロダクトマネジャー、Chuck Sabinは説明する。
「これは、顧客の要求に対応すべくExchangeチームが下した判断だ。われわれは、Windows Mobileチームとの関係を今後も尊重していくが、Exchangeの観点から顧客の要件を考えた場合は、もっと広い目で見る必要があった」(Sabin)
Sabinは、モバイル電子メールの「包括的ソリューション」としてはWindows Mobileが今もベストだが、しかし現実には、企業のITスタッフが従業員の所有するありとあらゆる携帯端末機器に対応しなくてはならない状態にあると述べた。
「IT管理者には端末の数が急増し、各所に普及していることが分かっている。彼らは、従業員により多くの機能を提供したいと考えているが、それと同時に、これらのデバイスの管理方法や、社内ネットワークへのアクセスコントロールも考えなくてはならない」(Sabin)
Microsoftでは、昨年開始した重要技術資産のライセンス供与で売上を拡大するプログラムの一環として、Exchangeのアクセス機能強化に向け、ほかの携帯端末メーカーとも協力を進めている、とSabinは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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