セキュリティソフトウェアベンダのSophosが米国時間8日に発表したところによると、2004年は新しいウイルスの発生件数が前年と比べて約52%増加したという。また、そのなかで最も大きな被害をもたらしたのは、Netsky-Pだという。
Sophosによると、Netsky-Pは同社が受けたウイルス報告の22.6%を占めたという。このウイルスは3月に発見されたもので、Netskyの亜種である。Netskyは大量にメールを送信するワームで、今年2月に発生してから30種以上の亜種を生んでいる。
「何カ月も前からウイルス対策ベンダが対応しているにも関わらず、Netsky-PとZafi-Bがいまだにコンピュータに感染し続けている。これには驚いた」とSophosのシニア技術コンサルタントGraham Cluleyは言う。「いかに多くのユーザーがウイルス対策ソフトを更新していないかが分かる。このウイルスは、まず家庭ユーザーのPCに感染し、そこから企業へと広がっているのだろう。ユーザーは1日数回ウイルス対策ソフトをアップデートすべきだ」とCluleyは続ける。
同社の発表したワーストランキングリストの第2位には、メールを大量送信する「Zafi-B」ワームの名が挙げられている。同ワームは、Sohphosが受けたウイルス報告の約19%を占めた。4月に発生し、その後急速な勢いで広がったSasserは第3位にランクされ、ウイルス報告の約14%を占めた。
NetskyとSasserの作者であることを自白したSven Jaschanは5月にドイツ警察によって逮捕された。Jaschanの審理は来年前半に始まる予定だ。
Jaschanの作成したウイルスは今も活動を続けている。Sophosによると、今年報告された全ウイルスの50%以上が、Jaschanによって作成されたものだという。
Sophosが2004年に新たに確認したウイルスやワーム、トロイの木馬の数は、前年比51.8%増の1万724種にものぼる。
Sophosは、2005年に新たに発生するウイルスの数は今年と同じくらいになるだろうと予想する。しかし同社は、作者がウイルスを書く目的が変わって来るはずだと指摘する。これまでは、単に自分の能力を自慢するために書かれたウイルスが多かったが、来年は金銭的利益を狙ったものが増えるとCluleyは述べる。
「金銭が関係してくると、物事は本当に厄介になる。ウイルス作者やハッカーは、それなりの大金を狙って犯行におよぶだろう」とCluleyは述べる。
またCluleyは同様の理由から、政府当局はウイルス作者の取り締まりに今まで以上に積極的に関与してくるだろうと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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