SasserワームとNetskyウイルスの複数の亜種を作成したとされる容疑者のSven Jaschanが先週ドイツ警察に起訴された。これを受け、Microsoft関係者は米国時間10日、当局を容疑者逮捕に導いた情報提供者に対して約束の懸賞金25万ドルが支払われるまで、まだ時間を要すると語った。
18歳の同容疑者が、破壊行動の罪で起訴された。しかし、同事件に詳しいウイルス対策専門家によると、罪状認否の日程はまだ決定していないという。
同事件の進展は、Microsoftの「Anti-Virus Reward Program」を指揮するHemanshu Nigamにとって朗報だ。Anti-Virus Reward Programでは、ウイルスやワームをばら撒いた人物の特定・逮捕につながる情報を提供した人に対して支払う賞金として500万ドルを用意している。
Nigamは、「これは大きな前進だ。本件は、Anti-Virus Reward Programによってウイルス作成者が起訴されるに至った初めてのケースだ」と語った。Microsoft顧問弁護士のNigamは、捜査当局との情報連携を担当している。
今回の起訴は、Microsoft懸賞金制度の成果としては最新のものだ。同社はMSBlastワームやSobigウイルス、MyDoomウイルスでも25万ドルの懸賞金をかけているが、どの事件も今のところ容疑者が逮捕されていない。重要度の低いMSBlastワームの亜種を作成した容疑者が逮捕されたのは、同プログラムが開始する前だった。
当局によると、Jaschanは、SasserとNetskyウイルスの複数の亜種を作成し散布したことを自白したという。ドイツ捜査当局は、Microsoftに信頼できる情報を持って接触してきた情報提供者の通報を受け、ワッフェンセン在住のJaschanを5月上旬に逮捕した。
Sasserワームと6種類の亜種は、Microsoft Windowsが動作する何十万台ものコンピュータに損害をもたらした。なかには、感染したシステムの数が何百万台にも上るという試算もある。Netskyウイルスと、Jaschanがその多くを作成したとされている30種類以上の亜種も、何十万台ものコンピュータに感染した可能性が高い。
また、情報提供者にもウイルスを作成した疑いがかけられており、ドイツ警察が捜査を進めているとの報道もある。もし情報提供者の容疑が固まった場合、Microsoftは懸賞金を支払うのかといった問題についてNigamは言及していない。
「(Jaschanの)有罪判決が確定したら喜んで賞金を提供したい」(Nigam)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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