セキュリティソフトウェアベンダーのSophosが、米国時間3月31日に明らかにした調査結果によると、NetSkyの亜種が3月に報告されたウイルス感染件数全体の60%を占め、最も活発な動きを見せたウイルスとなったという。
NetSkyは3月だけで15種類もの亜種が登場し、時には1日のうちに2種類の亜種も現れるなど、活発な動きを見せた。さらに、31日には今週に入って2番目となる、NetSky.Rというまた新たな亜種が発見されている。ウイルス対策ベンダー各社では、NetSkyとBagleの両ウイルスがこれほど頻繁に登場するのは、ウイルス作者同士の争いが原因だとしている。
Sophosのセキュリティコンサルタント、Carole Theriaultは、「3月は、NetSkyとBagleの作者たちがウイルス開発の覇権を争い、相手を出し抜こうと新しい亜種をリリースし続けた。さらに、NetSkyの作者はコードに埋め込んだ最新のメッセージのなかで、Bagleがやめない限り新しい亜種をリリースし続けると述べている」と語った。
NetSky.Rのコードに埋め込まれたこの最新のメッセージのなかで、このワームの作者はBagleの作者を攻撃し、「彼はバックドアを開けて、それで金儲けをしている。我々は、Bagleウイルスやその作者らが存在する限り、Skynetの新たなバージョンをいくつでも作り続ける」と述べている。
スパムリレーを目的としてバックドアを開けるウイルス作家は、スパム業者に大量の電子メールアドレスを販売して、金を稼いでいる。NetSkyは、自分の活動の目的が、コンピュータからBagleウイルスを取り除くことにあると主張している。
NetSky.Qに埋め込まれたメッセージには、「大企業は金儲けしか頭にない。その態度が気に入らないので、この問題を解決したい」と書かれた部分もある。
しかし、ウイルス対策の専門家によれば、NetSkyはそう言いながらも、結局は企業にとって問題を生み出しているという。絶え間なく大量に発生するウイルスに対して、企業は対策を講じることを余儀なくされているからだ。
Sophosが集計した3月のデータでは、NetSkyの亜種が第1位から第3位までを独占している。首位に立ったのは、全感染件数の30.2%を占めるNetSky.Dで、NetSky.Bが12.3%、またNetSky.Cが11.7%で、これに続いた
Theriaultによると、ある場合には、コードを数行書き換えるだけと、簡単にウイルスの新バージョンを量産できるという。それでも、3月後半には、同ウイルスの新バージョンが登場しない日も何日かあった。だが、これが登場する頻度は今週になってまた元に戻ってしまった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」