日立製作所がオンラインゲーム市場に参入する。韓HanbitSoftと共同でオンラインゲームを手掛ける新会社を設立。「ラグナロクオンライン」の生みの親と言われるIMC games取締役社長CEOのキム・ハッキュ氏の最新作を日本で展開する。
新会社はハンビットユビキタスエンターテインメント(HUS)。日立が1億円、HanbitSoftが2億5000万円を出資する。代表取締役社長にはHanbitSoft代表取締役社長のキム・ヨンマン氏が就任する。HanbitSoftのオンラインゲームを日本国内で提供し、2008年に売上高70億円、有料会員数30万人を目指す。
日立はオンラインゲームの運営に必要なサーバやストレージ、ネットワーク機器などを供給するとともに、運用のアウトソースを請け負う。ハードウェアの納入やアウトソースによって、2008年には7〜8億円の売上を見込んでいる。
左からIMC gamesのキム・ハッキュ氏、HanbitSoftのキム・ヨンマン氏、日立製作所の山口光雄氏、舘野宏氏 |
オンラインゲーム市場に参入する理由について、日立製作所情報・通信グループCSOの山口光雄氏は「MMORPG(多人数参加型ロールプレイングゲーム)などの大規模なオンラインゲームを安定的に運営しサービスを提供するためには高い技術レベルが求められる。日立の高信頼性が生かせる市場だ」と話す。
新会社が提供する予定のゲームタイトルは、キム・ハッキュ氏の最新作となるMMORPG「Granado Espada(グラナド・エスパダ)」と、「ポトリス2」の開発チームであるStudio MARSが開発するMMORPG「Neo Steam(ネオ・スチーム)」の2つ。
キム・ハッキュ氏が開発に携わったラグナロクオンラインは日本国内でガンホー・オンライン・エンターテイメントが提供しており、有料会員数は2004年5月に50万人を超えている。Granado Espadaは1人のユーザーが最大3人のキャラクターを同時にプレイできる点が特徴という。「ラグナロクでは実現されなかった企画を盛り込んでいる」(キム・ハッキュ氏)
日立のコンテンツ事業としては、平凡社と共同で日立デジタル平凡社を設立し、デジタル百科事典を提供したことがある(日立デジタル平凡社は2000年3月に解散)。今回のようなコンテンツ配信サービスは初めての試みだ。
日立製作所情報・通信グループアウトソーシング事業部ビジネスイノベーション営業本部本部長の舘野宏氏によれば、今回の話は日立からHanbitSoftにもちかけたものという。「キム・ハッキュ氏の最新作の完成が近いこと、日本での展開を検討しているという話を聞き、7月頃に話をもちかけた」(同氏)
サービスの提供時期はGranado Espadaベータ版が2005年第2四半期から、Neo Steamベータ版が第3四半期から。利用料金は「日本の市場を分析し、ユーザーの反応を見たうえで決めたい」(キム・ヨンマン氏)としている。
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