NECは11月12日、スーパーコンピュータやサーバ等の生産拠点であるNECコンピュータテクノ甲府事業所の生産ラインを報道陣に公開した。
NECコンピュータテクノは茨城日本電気(NEC茨城)の開発、アウトソーシングなどの製造以外の部門と甲府日本電気(NEC甲府)を統合して2002年に設立された。NECのコンピュータプラットフォームビジネスユニットの中核工場として、スーパーコンピュータやメインフレーム、サーバなどの開発、製造を手がけている。
同社が手がける製品のうち、デルやヒューレット・パッカードなどの海外勢と激しい価格競争を繰り広げているPCサーバについては約90%を海外生産し、同社で顧客の要望に応じて組み立てる形をとっている。さらにトヨタ生産方式を導入し、生産ラインの効率化を進めることで利益を確保する方針だ。「NECのハードウェア事業は営業利益率5%を確保している。中期的にはこれを7%に引き上げたい」とNEC執行役員常務の近藤忠雄氏は話し、低価格のIAサーバ事業でも収益は確保できているとした。
スーパーコンピュータについては、先日発表されたランキングで世界最速の地位をIBMのBlue Gene/Lに譲り渡している。しかし同社では、「世界一になったときから、いつかは抜かれるだろうと思っていた」と焦る様子はない。競合のIBMやSGIは低価格での構築が可能なスカラー型で攻勢を仕掛けているが、「気候シミュレーションやバイオ分野での分子レベルの解析など、高性能なベクトル型でないとできない分野がある」(同社)として、スカラー型との住み分けは可能とした。
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