Microsoftは米国時間16日、NovellのNetWareオペレーティングシステムからWindowsサーバへの移行を検討している企業に対して、移行コストの一部を提供するプログラムを発表した。
Microsoftは、移行に同意した企業に対し、サーバ1台あたり600ドル、合計で最大1万5000ドルのクレジットを提供し、移行時にかかる専門サービスの費用を負担すると述べた。NetWareユーザーが、このサードパーティによるサービス向けの助成金資格を得るには、Windowsに移行し、少なくとも1サーバあたり50クライアント分のアクセスライセンスを購入する必要がある。
Microsoftは、NetWareの将来を取り巻く不確実性を利用して、この機会により多くのユーザーをWindows Server 2003へ移行させようとしている。一部のNovellユーザーは、同社がLinuxに重点を置くあまり、NetWareを見捨てるのではないかとの懸念を抱いている。
Microsoftのこのプログラムは、今夏にトロントで開催されたMicrosoftのワールドワイドパートナー会議で、同社プラットホーム戦略ゼネラルマネージャーMartin Taylorが、Novellの再販業者らと議論したことに端を発する。再販業者らはこの時、NovellによるLinux分野への進出で、しぶとくNetWareを使い続けるユーザーさえ、WindowsもしくはLinuxへの移行を検討するようになっていると述べていた。
「再販業者らの見解は、多くのユーザーがほかに検討すべきものはないか、必死になっているというものだった」(Taylor)
Microsoftでは助成金に加えて、一連のアドバイスやテクニカルサポート、サードパーティによるサービスの提供を用意し、移行を検討しているユーザーに自社製品への乗り換えを働きかけている。
しかしNovellは、Microsoftがトロント会議で時点ですでにNovellユーザーに狙いを定めていたとし、その証拠としてMicrosoft最高経営責任者(CEO)の Steve Ballmerが、NetWareユーザー取り込みの機が熟したと発言していた事実を挙げている。
「Microsoftは以前から狙いを定めていた」と、Novell広報担当ののBruce Lowryは述べ、さらに同社ではNetWareには将来がないという不安を鎮めようとしていると付け加えた。同社は「Open Enterprise Server」という製品を来年の2月に出荷することになっているが、これはNetWareカーネルのアップデートバージョンと、SuSEのエンタープライズ向けLinuxサーバの最新版を組み合わせたものになる。
「この製品を買えば、これまで慣れ親しんだNetWareだけでなくLinuxも手に入れることになる」(Lowry)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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