元Microsoftの幹部で、Linuxが台頭した際には対応策の考案に携わった人物が、今度はオープンソースソフトウェアを販売する企業に入社した。
セットトップボックス(STB)をはじめとするメディア端末用のソフトウェアやその関連サービスを提供するCAC Media(本社:ニューヨーク)は、CNET News.comに対し、Nat Brownを最高技術責任者(CTO)として採用したことを明かした。
Brownは1990年から1999年までMicrosoftに在籍し、COM+の技術仕様策定やグラフィックライブラリDirectXの開発に携わったほか、初期のXboxゲームコンソール開発では指導的役割を果たした。
またBrownは、悪名高い「ハロウィーン文書」を作成した中心メンバーの1人でもある。「ハロウィーン文書」は、Microsoftがオープンソースソフトウェアを脅威と位置づけ、その懸念点をつづった最初のドキュメントだ。
同文書の大部分はVinod Valloppillilという人物が執筆したが、Brownはこのメモについて、オープンソースに対する称賛の気持ちを反映したものだと述べている。
ここ数年間は家族のために時間を費やしてきた同氏は、仕事復帰を決意した際にオープンソース企業を検討したのは自然のことだったと言う。
「できれば小さい企業で仕事がしたかった」とBrownは述べ、「Windowsのインフラ開発に戻ることもMicrosoftと話し合った。しかし、あの会社は、自分のアイデアを行動に移したり、周囲に影響を及ぼしたりするには、あまりに巨大だ」(Brown)。
CACは、オープンソースアプリケーションやデバイスドライバなど、デジタルメディア端末に必要なコンポーネントをパッケージ化して販売する。同社のソフトウェアで動く最初の端末となる、Video Without Boundariesの「MediaReady 4000」は、ビデオ録画や音楽再生など、リビングルームに必要な機能を備える。同端末は来年初めに出荷される予定だ。
Brownは、CACのソフトウェアを搭載した端末について、TiVoより高度なビデオ録画機能を求め、MicrosoftのWindows XP Media Centerで発生する管理の複雑さやコストは避けたいという人に訴求するだろうと見ている。
CACは、メディア端末用ソフトウェアの販売に加え、自作映画などのコンテンツにフォーカスし、STBにファイルをダウンロードできるコンテンツ配信システムの立ち上げも計画している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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