カリフォルニア州サニーベール発-- Advanced Micro Devices(AMD)の幹部らは米国時間12日、毎年開催するアナリスト向け説明会のなかで、今後展開していく戦略の概要を明らかにした。この戦略がうまく進めば、同じx86アーキテクチャベースのチップを使い、サーバや企業向けデスクトップ/ノートPC市場のほか、家電市場でのマーケットシェア確保も可能になるという。
AMDのCEO(最高経営責任者)Hector Ruizは、「われわれは、x86チップを隅々まで活用する」と語り、AMDが参入しているチップ市場は比較的大幅な成長が見込める、と付け加えた。
同社は、ハイエンドではプロセッサコアを2つ持つチップを2005年にリリースし、2006年には「Pacifica」(開発コード名)という新しいコアをベースにしたチップを投入する。
AMDは、Pacificaについてほとんど口を閉ざしてきている。ただし、それが1台のコンピュータで複数のOSが実行可能になる仮想化技術と、「Presidio」と呼ばれるセキュリティ技術を採用したデュアルコアチップになることは明らかにしている。Pacificaは2006年に、デスクトップ、ノートPC、サーバにそれぞれ採用される。AMDは、ノートPC用に新しい超低消費電力チップも投入するという。
同社はその一方で「x86 Everywhere」という戦略も進める。この戦略では、インターネットアプライアンス、デジタルテレビ、携帯端末、そして携帯電話用に低価格の省エネ型チップを開発していく。
x86 Everywhere戦略で登場する最初の製品は、PCのような外観のPersonal Internet Communicator(PIC)で、これはインド国内で185ドルで販売される。また、第4四半期にはメキシコなどでも通信事業者がPICを発売する。
AMDのCTO(最高技術責任者)、Fred Weberは、「x86 Everywhereの利点は、あらゆる方面の開発をマルチプラットフォームに利用できるところだ」と語った。
Intelの計画もこれに酷似している。規模で勝る同社は、「LaGrande」と呼ばれる高度なセキュリティ技術、仮想化、そしてデュアルコアチップを既に発表している。Intel幹部も先ごろ、同社が家電製品向けx86チップを開発中であることを明らかにしている。ただ、どちらの会社が何を先に出すのかはだれにも分からない。
来年は全体として明るい年になるだろうと、AMDのRuizは語った。マイクロプロセッサの出荷台数は10%ほど増加すると見られており、またAMDは市場全体を上回る速度で成長する、と同氏は述べた。
「今後2年の間に、必ずITのアップグレードが起こる」(Ruiz)
携帯電話機の出荷台数は2005年に7億台まで増加すると見られているが、これが同社のフラッシュメモリビジネスにとって追い風になる。
AMDは今年、かつてないほどの成功を収めてきている。同社の製品販売価格は上昇し、また黒字の四半期が何期か続いている。また同社はサーバ市場への浸透も始めており、MicrosoftやDreamWorks、VeriSignといった企業顧客を説得して、Opteron搭載サーバを採用させることにも成功した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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