Intelは、Itanium 2プロセッサの新しい最上位モデルを11月8日(米国時間)に発売すると、同社の計画に詳しい筋が明らかにした。
「Madison」シリーズのアップグレード版にあたるこのプロセッサは、高速キャッシュメモリの容量が6MBから9MBに増量されていることから、「Madison 9M」という通称で呼ばれている。またIntelはItanium 2シリーズの他のモデルもアップデートし、新たにデュアルプロセッササーバ用のローエンドモデルと、密集配置されるサーバ向けの低電圧モデルを追加すると見られている。
今回の新モデル発売は、世界最速スーパーコンピュータ上位500リスト「Top500」の発表に合わせて行なわれると予想されている。ナンバー1の最有力候補とされるNASAの新スーパーコンピュータ「Columbia」には、Silicon Graphics(SGI)のAltix 3700 Bx2サーバの一部として、この新しいチップが採用されている。
SGIは、Columbiaが1秒間に42兆7000億回の演算(42.7テラフロップ)が可能だと述べていた。しかし新Itanium 2プロセッサを採用した同システムの非公式テストでは、51.9テラフロップを記録した。
IntelのRichard Dracott(エンタープライズ・プラットフォームグループ、ゼネラルマネージャ)は26日のColumbiaの発表時に、Columbiaに搭載した新チップがソフトウェアの性能を大幅に向上させたと述べている。「なかには、30〜40%も性能が向上したプログラムもある」(Dracott)
SGIは当初Altix 3700 Bx2を11月1日に発表する予定だったが、同社幹部による詳細の公表を受け、発表を前倒しした。一方、IntelとItaniumを共同開発したHewlett-Packard(HP)は、同チップの普及に最も力を入れているサーバメーカーだが、今回は11月9日まで新しいサーバの発表は行わない。
HPは新たなエントリーレベルのデュアルプロセッサItaniumサーバを発表すると見られている。これはIntelによるItanium値下げへの取り組みを受けたもの。なお、現在最も安価なItaniumチップは1000個購入時の単価が530ドルとなっている。
Itaniumは度重なる出荷延期などのトラブルに見舞われ、いまだに出荷数が目標に達していない。Intelは昨年10万個のItaniumを出荷し、今年はこれを20万個までもっていきたいと考えていたが、すでにこの目標達成をあきらめたようだと、Mercury ResearchアナリストのDean McCarronは述べている。
だが、ItaniumはIntelにとって、IBMのPower5やSun MicrosystemsのUltraSparc IVといったハイエンドチップと戦うための武器となっている。「この製品は売上の伸びこそゆっくりだが、Intelがこれにより新しい市場へ参入できたのは間違いない」(McCarron)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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