Appleでもこの問題に取り組んできており、同社はiTunesを次々にアップグレードして、MyTunesのような無償ダウンロード機能付きのプログラムを使えないようにしている。
合法かどうかという点に関して、Mercoraのサービスには音楽業界の厳しい目が向けられることになりそうだ。すでにRIAA(全米レコード協会)はXM Satellite Radioが販売したPCラジオ受信装置に対して懸念を表明した。このラジオとサードパーティー製ソフトを組み合わせると、放送された曲をコンピュータにダウンロードできてしまうというのが、その理由だった。その結果XMは装置の販売を中止することになった。
Mercoraの人気が高まることで楽曲の売上が減少する可能性もあるが、Sampathはそうはならないと予想している。同社のネットワーク上にある1000万の楽曲が同時に配信されるわけではない。ラジオは一過性のもので、リスナーが聴きたいと思ったときに特定の曲が流れるようにするのは難しい、というのが同氏の考えだ。
現時点でMercoraのリスナーにできるのは、せいぜいジャンルや特定のアーチストに的を絞ることぐらいだ。それでもネットワークの拡大や検索ツールの改善により、いずれは好みの曲を特定して聴けるようになるだろう。
Sampathはこの音楽サービスのアイデアについて、もともと企業が所有する退屈なラジオ局の放送を聴いていた時に浮かんだものだという。たとえば、サルサとレゲエのレコード売上は全体の21%を占めているが、しかしラジオからこれらの曲が聞こえてくるのは珍しい。
「サンタクルスにあるClear Channelの放送を聴いてみると良い。同じClear Channelでも、クズ同然のニューヨークの放送とは雲泥の差がある」(Sampath)
ラジオ的な機能を使う合法的な個人プレイリストの共有は、レコード業界と消費者の新たな長期戦の場となるかもしれない。しかし、アーチストやレコード会社にとってはプロモーションの機会が生まれるかもしれない、と支持者らは考えている。
音楽業界幹部のなかにも、MercoraやLive365などの各社が売り込むネットワークについて、一般ユーザーの意見が聞ける場を提供することで、音楽業界にとっても重要なトレンドセッターとなと可能性が高いと考える者もいる。
Virgin Digital社長のZack Zalonは、「従来、新譜の売上の95%はラジオの影響によるもので、デジタルラジオはそれと同じ役割を果たしている。ある曲が消費者の間でヒットするには、6〜8人のリスナーがいればいい」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのBioSHADOWが誘う
心地良い室内空間のつくりかた