NECとi2、SCM事業の提携でアジアパシフィック地域の事業拡大をねらう

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年11月01日 18時46分

 NECとi2 Technologiesは11月1日、次世代SCM事業において提携すると発表した。両社は共同で、日本国内および中国をはじめとするアジアパシフィック全域でのソリューションビジネスを推進するという。

 NEC 代表取締役副社長の川村敏郎氏は、「SCMで世界的に実績のあるi2と、システムインテグレーションに強いNECが組むことで、次世代SCMビジネスでのソリューション提供において強みを発揮することができ、カスタマベースの拡大も期待できる」という。

左から、NEC取締役常務 渕上岩雄氏、同代表取締役副社長 川村敏郎氏、i2 Technologies CEO サンジブ・シドゥ氏、同日本法人代表取締役社長 横溝陽一氏

 NECでは2000年以降、NECパーソナルプロダクツをはじめとする同社関連ビジネスユニットにおいてi2製品を導入していた。これがきっかけとなって今回の提携に結びついたわけだが、i2 Technologies 最高経営責任者のサンジブ・シドゥ氏は、「ビジネスが変化する速度は加速している。変化に柔軟な対応をするためには、Plan、Do、Check、Actの4要素が重要となるが、i2のソリューションはこれらを提供できるものだ。NECは自社の導入事例でこれを証明することができた」と述べる。

 今回の協業で中核的な製品となるのは、i2の新製品SCOS(Supply Chain Operating Services)。SCOSは、サプライチェーンの柔軟な運用を目指したソリューションで、既存のシステムを活かした運用や、新規アプリケーションの導入を容易にするもの。また、Webサービスベースで業界標準のアーキテクチャを採用しているため、サプライチェーン間でビジネスプロセスを同期化することもできるという。

 両社はすでに、合計20名からなる共同拡販チームを設置した。同チームは、アジアパシフィック全域でそれぞれの現地法人がコンサルティングサービスやシステム導入を行う際のサポートを行うとともに、マーケティング分野での協業も進める。また両社は、i2の日本法人内にコンピテンスセンターを設置し、i2製品の性能の認証と評価を実施する。NEC本社内にはi2のソリューションに関するデモセンターを設置し、ユーザー向けに公開する。

 共同技術検討チームも新たに設置する。同チームは、i2製品とSAP、Oracle、NECのFlexProcess やExplannerなどのERP製品およびPDM(Product Data Management)製品を組み合わせ、新たな業種・業務別のテンプレートを共同開発する。テンプレートは2005年7月をめどに順次販売を開始する予定。またNECでは、i2製品を用いたシステム構築ノウハウを有するSEを、現在の50名から2007年までに300名まで増員するという。

 NECでは、今回の協業によるSCM事業において、今後3年間で200社の顧客獲得をめざすとしている。NECの川村氏によると、2003年第3四半期での同社の海外売上構成比率は22%。同社は今後海外での年平均売上伸張率を14%とし、2006〜2007年頃には30%をめざすとしているが、今回の提携はグローバルビジネスを拡大するにあたって重要な役割を果たすとNECではみている。

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