米Intelは8日(米国時間)、ラックマウント型サーバとクラスタに最適化した2種類のItanium 2をリリースする。同社はこれにより、Itanium製品ファミリの勢力拡大を狙う。
Deerfieldというコードネームで呼ばれてきたLow Voltage Itanium 2と、スケールダウンしたItanium 2の最新バージョンは、プロセッサを2基搭載したサーバに適合するように設計されている。通常、このようなサーバで重要視されるのは、コスト、スペース、そして消費電力だ。
これら3つはどれも、数千台のコンピュータを接続してメインフレーム機なみの作業を実行するクラスタにおいては重要な要素であり、あるいは大規模なウェブサイトの認証管理といった特定用途向けの比較的低価格なサーバでも同様だ。
Intelでマルチプラットフォーム・マーケティング担当のディレクターを務めるJason Waxmanは、「2wayの(Itanium)システムはすでに存在するが、低い消費電力と価格という面で、新しいチップはさらに効果的だ」と説明する。
技術的には、両チップにおけるプロセッサのコア--シリコン内にあるコンピュータの頭脳にあたる部分は、1.5GHzのItanium 2と同じだ。Intelは、Madisonというコードネームで呼ばれていたこのチップを、6月に発表している。だが今回、クロックスピードとキャッシュサイズを変えることにより、2つのチップは特定のアプリケーションに最適となるよう設計されている。
Low Voltage Itanium 2は、動作周波数が1GHzで1.5MBのキャッシュを持つ。キャッシュとは、迅速にデータにアクセスするため、プロセッサに統合されたメモリの貯蔵庫のようなものだ。同チップでは、速度が遅いため、ハイエンドのMadisonプロセッサと比べると半分の消費電力で動作し、最大消費電力は62Wに設定されている。省消費電力は、熱放射量が少ないことを意味することから、エンジニアはこのチップを小規模なサーバに用いることができ、同じコンピュータ室に多数のサーバを設置することもできる。
もう1つの新Itanium 2は、動作周波数が1.4GHzでキャッシュは1.5MB。この速度は、6月に発表済みのMadisonに近いが、Madisonの場合、キャッシュは3MB、4MB、6MBの3種だった。通常、高性能なコンピュータクラスタはGHz級の動作周波数を持つチップを必要とするが、キャッシュは大量である必要はない。
Itanium 2の新モデルでは、価格も下がっている。1.4GHzのItanium 2の1000個ロット時の価格は1172ドルで、Low Voltage Itanium 2は744ドル。なお、6月に発表された1.5GHz・6MBのItanium 2の価格は4227ドルだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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