高性能テレビに付いている不要な新機能についてはよく話題に上るが、Chris van Rossmanという大学生が購入した東芝製のテレビ受像機にも、彼にとっては余計な機能が付いていた。しかもRossmanは、救急隊員や捜査当局者が突然彼の家にやってきて、初めてその事実を知った。
今月はじめ、Rossmanが所有する購入後1年が経過した20型の薄型テレビが、遭難信号用の周波数121.5メガヘルツ(MHz)で電波を送信し始めた。これらの信号は、捜索救助隊が墜落した飛行機や、遭難したり行方不明になったボートを発見するのに使われるものだ。Rossmanのテレビから発信された信号は捜索救助用の衛星に捕えられ、救助隊に出動命令が下った。
「この種のアラートはめずらしくないが、通常は空港で誰かがうっかりトランスポンダを作動させてしまった場合が多い」と語るのは、オレゴン州ベントン郡の救急隊でマネージャを務めるMike Bambergerだ。同氏は、米空軍の担当者やオレゴン州コーバリスの捜査当局者と共にRossmanのアパートに駆けつけた。「これらの警報の大半は誤報だが、どちらにしても我々はそれらの信号の発信地点を確認する。我々は朝までに信号の発信源をあるアパートにまで絞り込み、その後、発信地点が問題のテレビが置かれている同アパートの壁であることを突き止めた」(Bamberger)
Bambergerによると、そのテレビはちょうど保証期間が過ぎたところだったという。
東芝に対し、問題のテレビと同型のDVD、VCR、CDプレーヤー内蔵の20型テレビの所有者から同様の苦情が寄せられているかを問い合わせたが、同社の広報担当からは直ちにコメントを得ることはできなかった。
米連邦通信委員会(FCC)はVan Rossmanに対し、誤った遭難信号の発信を止める(問題のテレビの使用を中止する)よう命令し、従わない場合は1日当たり1万ドルの罰金を課すと通告した。
無線周波スペクトルの混信は1つの問題となっており、FCCはメーカーや放送局の無線帯域の利用方法を整理/簡素化することによって、改善に取り組んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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