現在ワイヤレスネットワークを利用する電子機器や各種技術がますます増えているが、Intelのある幹部は米国時間1日に、連邦政府の規制当局やIT業界に対し、限りある無線周波数帯を効率よく利用していかなければならないと語った。
一般消費者の間でもっとも普及したワイヤレス技術としては、Wi-Fiや携帯電話が思い浮かぶ。だが、WiMaxなど他の技術も登場してきており、周波数帯域の利用方法を改めなければ、電波の干渉が起こったり、新たな技術開発への道が閉ざされてしまうなどの可能性が高まっている。
「無線帯域を利用したおもしろい技術やサービスが、たくさん登場している...しかし周波数帯域には限りがあるため、もっと効率的に利用する必要がある」と、IntelシニアフェローのKevin Kahnは報道関係者との懇談のなかでそう語った。
Intelでは「Radio Free Intel」という取り組みを進めており、さまざまな電子機器に無線機能を追加できるよう技術の改良・簡略化に取り組んでいるが、同社が無線帯域の利用に関心を示すのもこれが理由。同社はすでにCentrinoの開発に多額の投資を行っており、また今年中にはWiMax関連部品を市場に投入する計画もある。 同社はまたUWB標準の策定にも積極的に取り組んでいる。
Kahnによると、Intelはこれまで規制当局に対するご意見番の役割を果たしてきているという。 「我々には、当局から割り当てられた周波数帯域があるわけではない...(そうした利害の絡まない立場で)消費者の代理人のような役割を果たしている面もある」(Kahn)
連邦通信委員会(FCC)は、現在割り当て済みの周波数帯域について、利用状況の見直しを進めてきている。同委員会は先日も、地上波テレビ放送用の周波数帯域に関する割り当ての見直しに関与した。テレビ用の周波数帯域は特に貴重なものだが、これは1チャネルあたりの帯域幅が広く、長距離にわたって大量の信号を送信できる低周波数帯域がテレビに割り当てられているからだ。
Kahnはさらに、周波数帯域をより柔軟に運用した方が業界の発展につながること、また送信に利用する帯域を切り替えながらデータが円滑に送れるような技術がいずれは開発されると思っていると付け加えた。
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