BEA Systemsの新CTOマーク・カージス氏が来日した。初期バージョンのTuxedoの設計および開発を担当していたカージス氏は、CTO就任前にはBEAの戦略的グローバルアカウント バイスプレジデントも務めており、「ビジネスとITを結びつけることで、いかに顧客のニーズに応えることができるのかを理解しているつもりだ」と自己紹介する。10月15日に開催されたプレス説明会で、カージス氏はBEAの製品戦略を語った。
BEAでは、コードネームDiamondという次世代プラットフォームでSOA(サービス指向アーキテクチャ)を実現し、顧客が直面する数々の課題を解決するとしている。その課題とは、システムのインテグレーションは複雑でコストがかかるということ、そしてインテグレーションが実現した場合、以前より管理範囲が拡大するということだ。
今年8月にBEA SystemsのCTOに就任したマーク・カージス氏 |
Diamondには、より拡張性・信頼性の向上したWebLogic Serverを中心に、SDO(Service Data Objects)やBPEL(Business Process Execution Language for Web Services)をサポートし、次世代コンポジットアプリケーションとなるWebLogic Integration、統合された管理インフラで生産性の向上を実現するWebLogic Portalなどが含まれる。そして中でも同社が注力しているのが、コードネームQuicksilverと呼ばれる製品だ。
Quicksilverとは、「WSM(Webサービス管理)とESB(Enterprise Service Buss)を融合したもの」とカージス氏は説明する。「低いレベルのアプリケーションでもWebサービスで作られることが多くなる中、様々なエンドポイントの管理、またエンドポイント間で起こっているコミュニケーションの管理、それぞれの信頼性やキャパシティの管理など、管理者の負担は増える一方だ。これらの管理要件に応えるのがQuicksilverとなる」(カージス氏)
ESBはSOAを実現するための重要な機能のひとつだが、先日IBMが発表したWebSphere Application Server version 6もESB機能が備わった製品となっている。このような他社の製品とQuicksilverとの違いについて、カージス氏は「BEA製品は、オープンスタンダードでWebサービスをサポートしている。他社はコアな部分がプロプライエタリとなっており、そのうえにカバーをかぶせることでオープンだと主張するが、実際のプロジェクトではコアの部分に踏み込まなくては価値を最大限に生かせない」と述べ、コアの部分から標準技術を採用しているBEAの優位性を力説した。
「BEAがゼロからはじまってここまで成長できた理由は2つある。ひとつは企業のITを簡素化することに注力したためで、もうひとつは顧客のビジネス革新を実現できたためだ。この2つは今後もBEAの重要なミッションとなる。このミッションに向け、Diamondおよびその製品群のひとつとなるQuicksilverを投入し、顧客がSOAに投資する際のROIを最大限に引き出していく」(カージス氏)
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