Microsoftのインスタントメッセージソフトウェア「MSN Messenger」のユーザーは先週末、ウイルス以外の仲間と会えずにちょっと寂しい思いをしたかもしれない。
Microsoftは11日(米国時間)、MSNユーザーが過去3日間インスタントメッセージシステムにログインできなくなっている問題に関して、この技術的な障害の対応に引き続き取り組んでいることを認めた。11日午前中には、この問題によるサービス中断が数時間にわたって起こっており、ネットワーク管理者が集まるオンライン掲示板には、複数のユーザーがこれに関する苦情を記している。
また、この問題の発生とほぼ同時期に、Funnerという新手のコンピュータウイルスが出現した。FunnerはMSNインスタントメッセージサービスを介して感染を拡大しており、ユーザーをwww.78p.comというウェブサイトに行かせようとする。しかし、セキュリティ対策ソフトウェア会社のSymantecでは、このウイルスはごく僅かな数のPCに感染しただけで、なんらかの障害の原因となった証拠はないとしている。
「我々が確認できたことから判断すると、このウイルスはユーザーのMSN Messengerにあるすべての連絡先にあてて自分自身のコピーを送りつけようとする。しかし過去24時間に34件程度の報告しか届いておらず、それほど重大なものではない」とSymantecのセキュリティ対応チームシニアディレクター、Oliver Friedrichsは述べている。
Symantecのウェブサイトに掲載された情報によると、このウイルスは感染したコンピュータの設定を変更してしまうという。そして、感染したPCのユーザーが合わせて900を超えるウェブサイトのいずれかにアクセスしようとすると、www.78p.comにリダイレクトされてしまう。またこのウイルスは、www.78p.comのサイトから追加機能をダウンロードしようとする可能性がある。しかしこのサイトは現在ダウンしている模様だ。
Microsoftは11日昼過ぎまでに、ユーザーがMSNインスタントメッセージサービスにログインできなくなっている問題を修正したと、同社関係者は述べている。
「当該システムはすでに復旧している。この問題は修正されたと考えている」とこの関係者は午後1時(米西海岸時間)に述べた。なお、この関係者は、Funnerウイルスと今回の障害の関係についてはコメントしなかった。
上記の関係者は、11日午前の故障は「管理上のメンテナンス」によるものと述べただけで、この問題についてそれ以上の詳細は明らかにしていない。
今回のMicrosoft Networkのトラブルは、North American Network Operators Group(NANOG)のメーリングリストに参加するネットワーク管理者の間で議論の的となった。
「日曜日には、いくつもの問題が1日中続いていた」とあるメンバーは述べているが、この人物はメーリングリストへのメッセージを読むまで、この問題が広範囲に及んでいることを知らなかったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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