大日本印刷(DNP)と三井物産は、雑誌の新たな収入構造を検討するための実証実験を実施すると発表した。
今回の実験は、雑誌の誌面を利用したアフィリエイトの可能性を探るものだ。アフィリエイトは、実際に商品売買が成立したときに紹介者に報酬が支払われる成果報酬型広告。インターネット上で急速に拡大しているこの手法を、雑誌でも利用できるかどうかを実験する。
一般企業はより効果が明確な広告に費用をかける傾向が強くなっている。インターネット上ではそれがアフィリエイトプログラムという形になっているが、紙媒体ではそういったシステムがない。媒体ごとに問い合わせ電話番号やURLなどを変化させることで効果を測るマーケティングソリューションは存在したが、今回の実験はもっと直接的な形だ。
実験では、DNPが雑誌の広告枠を2ページ買い取り、そのページで三井物産が展開するアフィリエイトプログラム「リンクシェア」に参加している通信販売サイトの商品広告を掲載するという形をとる。広告には二次元コード(QRコード)を付与することで、ユーザーは携帯電話でそれを読み取ったり、パソコンからURLを入力したりしてアクセスする。
ユーザーにとっては通常の広告を見た場合のアクションと変わりないが、販売側には成果がはっきりとわかるのが特徴で、売買成立時に雑誌側に情報仲介手数料を支払うという成果報酬型広告を可能にする。
このシステムが成立した場合、通常の広告ページだけではなく、商品紹介などの記事ページにもURLやQRコードを記載することで、成果報酬を得られるというビジネスモデルになる。また、直接報酬に結びつけるのではなく紹介商品への反応を知ることで以降の内容に反映させるなど、雑誌発行側のマーケティングデータとして活用することも可能だ。
DNPでは、今回の実証実験の結果を踏まえて、雑誌などを利用した新たなビジネスモデルを検討したいとしている。
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