昨年秋よりUnwired Enterpriseという戦略の下で製品の強化を図ってきたサイベース。Unwired Enterpriseとは、オフィス内・外を問わず、いつでもどこでも社内外の情報を自由に活用できる世界の実現だ。同社は10月5日、プレス向け説明会を開催し、Unwired Enterprise戦略とそれを実現する新製品群について語った。
「Unwired Enterpriseは、情報の流動化とモバイル化が統合されて実現できるもの。そこで具体的に必要となるステップは“Information Managed”(膨大な企業データを管理統合し、有用なデータシステムを構築すること)、“Information Unwired”(リアルタイムに信頼性ある情報にアクセスできるよう、情報を開放すること)、そして“People Unwired”(モバイルを通して、いつでも・どこでも・誰でもセキュアにアクセスできるようにすること)だ」と、サイベース マーケティング&ビジネスアライアンス本部長の麻生洋氏は説明する。
サイベース マーケティング&ビジネスアライアンス本部長 麻生洋氏 |
サイベースは9月末に、Information Managed部分を実現できる新製品群を発表している。同社のフラッグシップ製品であるRDBMS最新版、Adaptive Server Enterprise (ASE) 12.5.2日本語版に加え、新たな製品となるReal Time Data Services、Dynamic Archive、Mirror Activator、Dynamic Operational Data Storeである。
ASE最新版で追加された機能は、運用コストの低減につながる自己管理機能やデータベース管理者ツール、パフォーマンス改善につながるI/O性能の向上やテンポラリデータベース機能の改良、アプリケーションコストの削減につながるWebサービスおよびネイティブXML文書管理のサポート強化などだ。
一方、Real Time Data Servicesは、バッチ/ポーリング処理によるシステムパフォーマンスの低下を排し、異種データの移動とリアルタイムメッセージングを統合し、追加的なコーディングを行わずに情報の公開や配信を実現するソリューション。OracleやDB2などとの連携が容易になる。Dynamic Archiveは、トランザクションの多いデータベースから不活性となったデータをアーカイブすることにより、オンラインデータのディスク保存量を圧縮し、データ分析の効率を高めるものだ。Mirror Activatorは、遠隔地間のデータ複製によりデータ保全能力を向上させるもので、ストレージベンダー各社の同期式レプリケーション上でデータベースをログベースで複写する。Dynamic Operational Data Storeは、既存システムに影響を与えることなく、負荷を移動させ効率的なBIシステムを構築するソリューションだ。
これらの製品に加え、Information Unwiredの部分を実現するというUnwired AcceleratorやToolkitなどは、10月下旬から11月にかけて国内向けに製品が発表される予定だという。また、People Unwired部分は、同社の子会社アイエニウェア・ソリューションズのモバイル関連製品にて提供する。
米Sybaseは先月、Linux用のASE Linux Express Editionを無償で提供すると発表した。米国の同社サイト上にてダウンロード可能となっており、日本からも現時点で1000件以上のダウンロードがあったという。今月中にも日本語サイト上からのダウンロードが可能になる予定だ。
麻生氏は「Unwired Enterpriseを推進することで新規市場を開拓し、ASEのみを提供する企業からの脱却をねらいたい」と述べる。ほかにも同社は、Unwired Enterpriseを推進するため、顧客に直接提案ができるよう、ストラテジックアカウント営業を強化し、国内主要コンピュータベンダーとの提携も進めるとしている。
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