Microsoftは、ハイテクキャッシュレジスタ向けにカスタマイズされたWindows XP Embeddedを開発することで、自社製オペレーティングシステム(OS)の売上が拡大するものと期待している。
同社は米国時間4日、「Windows Embedded for Point of Service」をリリースする計画であることを発表した。同ソフトは来年前半以降に出荷される予定だ。
Microsoftのソフトウェアは既に多くの小売店端末で採用されており、アナリストの推定によると、OS搭載マシンの約70%にMicrosoft製OSが搭載されているという。しかし、このシェアをWindowsの複数バージョンが互いに奪い合う状況になっているほか、DOSベースのマシンが使われているケースも多い。Windowsベースの小売端末を販売する大手メーカーとしては、Hewlett-Packard(HP)やDellの名前が挙げられる。
ユーザーにとっての選択肢はWindowsだけではない。例えば、IBMは1月にPOS端末にSuSE Linuxを搭載するための提携を発表している。
古いシステムの多くは、端末用のソフトウェアが全くアップデートされない時代に設計されている。しかし、最新式のキオスク端末やPOS端末はネットワークに接続される場合が多く、セキュリティとネットワーキング機能の両方を必要とする。Microsoftの新OSも、RFIDをはじめ、今後有望な技術をサポートする予定だ。
MicrosoftのWindows Embedded部門でプロダクトマネジャーを務めるJohn Starkweatherは、「(Windows Embedded for Point of Serviceは)小売業者が20世紀のポイント・オブ・サービスシステムを21世紀のものにアップグレードするうえで大いに役立つだろう」と語った。Microsoftでは、店内で利用するレジ、キオスク、自動会計マシンなどのPOS(ポイント・オブ・セールス)端末のことを「ポイント・オブ・サービス」端末と呼んでいる。
Microsoftは今年初め、「Smarter Retailing Initiative」と銘打って、新しいWindowsシステムのメリットを活かした製品を顧客に売り込む取り組みを開始した。
XP Embeddedの小売店向けバージョンが製品ラインに追加されることにより、ソフトウェア開発者は単一のXPバージョン向けにアプリケーションを開発すればよくなるため、同製品は「Smarter Retailing Initiative」の取り組み強化につながるとMicrosoftでは考えている。Windows Embeddedのメリットの1つは、端末メーカーが使いたいOSのパーツを選択できる点だ。一方、このアプローチのデメリットは、ソフトウェアメーカーが自社ソフトを各小売業者が利用する特定のWindows Embeddedに対応させるために大幅なカスタマイズを行う必要がある点だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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