Intelが64ビットx86チップ向けにソフトウェアを開発できるプログラミングツールを発表する。これは新世代プロセッサを有用なものにするための重要なステップとなる。
同社は米国時間4日にコンパイラの新バージョンを発表する計画だ。コンパイラとは、人間が記述したソフトウェアをコンピュータが理解できる命令に変換するのに必要なツールのこと。
今年Intelは、4Gバイト以上のメモリをプロセッサが容易に扱えるようにする64ビット拡張機能「EM64T」を搭載したXeonおよびPentium 4の両プロセッサを発売している。Intelの64ビットチップは、ライバルAdvanced Micro Devices(AMD)が「AMD64」と呼ばれる同様の技術をOpteronとAthlon 64の両製品で採用してから1年以上遅れて登場した。
Intelのソフトウェア開発製品担当マーケティングディレクターJames Reindersによれば、同コンパイラを使うとIntelとAMD両方のチップ向けにコードを生成することが可能だという。
「われわれの顧客が関心を持っているのは、彼らの顧客のマシン上でうまく動作するコードを生成することであり、その何パーセントかはIntel以外のものになる。われわれのコードは、AMDプロセッサ向けのほかのコンパイラと同等以上に機能する」(Reinders)
Intelの同コンパイラには、Red HatやNovellが既にサポートしている64ビットチップ対応Linux向けのものと、スケジュールの延期が重なったために64ビットx86チップのサポートが2005年以降となっているWindows向けのものが含まれる。
Reindersは、同プログラミングツールの顧客には、これを使って自社のデータベースソフトウェアを開発するIBMやOracleなどが名を連ねていると語った。またReindersは、オープンソース系プログラマはオープンソースのGCCコンパイラを好む場合が圧倒的に多いが、Red Flag LinuxとMySQLデータベースはIntel製品の方を好んでいるとも語った。
コンピューティング業界は、従来の32ビットソフトウェアも動かせる64ビットx86チップの普及状況を熱心に見守っている。Intelは何年もの間、Itaniumという別の64ビットデザインを支持してきた。しかし、同プロセッサで32ビットx86ソフトウェアを稼動させると、処理が低速化するなど性能上の問題を抱えていた。Intelでは現在、Itaniumをハイエンドマシン向けとして位置づけるようになっており、同チップを最も強く推進してきたHewlett-Packard(HP)は、64ビットx86モデルの人気が高まっているとして、Itanium搭載ワークステーションの販売を中止している。
同コンパイラの価格は、WindowsおよびLinux向けに書かれたC/C++プログラム用が399ドル、Fortranプログラム用が499〜1399ドル。
x86サーバ市場への参入が比較的遅かったSun Microsystemsは、同チップ用にSolaris OSを積極的に売り込んでいる。しかしIntelでは、これをサポートする計画はない。広報担当のMichael Houlihanは、「顧客の動きに素早く対応したいと、われわれは考えている。顧客の間では現在、特定ベンダのUnixからx86 Linuxへと移行が進んでいるので、われわれはx86 Linuxに重点を置いていく」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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