Microsoftは今週、デジタルカメラとPCの接続をより容易にするための数々の取り組みを発表した。
現在ドイツで開催中のトレードショー「Photokina」で同社は、Media Transfer Protocol(MTP)を拡張し、デジタルカメラや他のデジタル画像装置もサポートしていく計画だと発表した。MTPはMicrosoftが今年初めに発表した技術で、各種のポータブルデバイスとWindows PCを接続するために開発されたもの。
MTPは、カメラやメディア関連機器、その他小型電子機器を製造するメーカーらが自社製品のファームウェアに自由に組み込めるよう、Microsoftが提供している技術標準だと、同社のWindows Portable Devices担当プログラミングマネージャーのDave McLauchlanは説明した。MTPは、FotoNationが開発した技術標準で既に多くのカメラメーカーによって採用されているPhoto Transfer Protocolをベースにしている。
McLauchlanによると、MTPをサポートする機能は、今後アップデートを通してWindows XPに追加されるほか、今後出される同社OSには標準的に組み込まれるという。これにより、ユーザーはカメラをPCに接続する際にドライバをインストールする必要がなくなる。
「旅行帰りに母親の家へ立ち寄って、撮った写真を一緒に見たいと思ったとしよう。現状では、カメラ付属のインストールディスクがなければお手上げだ」(McLauchlan)
今では携帯電話のようなデバイスにまでカメラが搭載され、デジタル画像が普及していることから、必要なデバイス同士をその場の状況に応じて接続することは特殊なことではなくなってきたと、McLauchlanは述べる。「多数の機能を1つのデバイスに組み込み始めたら、いくつものプロトコルが必要になる。やがて、そのデバイスは扱いづらいものになってしまう」(McLauchlan)
キヤノンはMTPのサポートを計画していると発表した最初のメーカーだが、Microsoftは他のメーカーもこれに続くことを期待するとしている。
デジタル写真に関する標準技術は、Photokina話題を集めているテーマの1つだ。MicrosoftのMTP以外にも、Adobe Systemsからは、RAWフォーマット(カメラメーカーが圧縮前の画像を保存するのに利用するフォーマット)を標準化する計画が発表されている。
また、コニカミノルタフォトイメージングと富士写真フイルム、Eastman Kodakの3社も、画像を保存するための標準規格PASS(Picture Archiving and Sharing Standard)を策定すると発表した。これは今後開発される機器でも現在の画像を確実に読み込めるようにするためのものだ。策定される標準規格は、現行フォーマットと将来のフォーマットとの橋渡し役になり、互換性を保証するものだと3社は声明のなかで説明している。
Microsoftは、PCとカメラとの無線接続を簡単に行えるようにする新しい取り組みについても発表した。デジタル画像が携帯電話でも扱われるようになった現在、無線接続は消費者にとって重要な選択肢になっている。Windows XP Service Pack 2に搭載されたWindows Connect Nowは、安全なワイヤレスネットワークの構築を自動化するための技術で、同社では今後、ワイヤレス対応カメラやプリンタをサポートするように同技術の機能拡張に取り組んでいくと、McLauchlanは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」