The New York Times紙が28日(米国時間)に伝えたところによると、IBMが「世界最速のスーパーコンピュータ」のタイトルを奪還したという。これまで最速とされていた日本の「地球シミュレータ」(NEC製)が2002年に新記録を叩き出した際には、米政府当局の関係者の間に激震が走ったが、今回のIBMによる更新で、再び米国側に王座が渡ったことになる。
今回のテストに使われたのはIBMの「Blue Gene/L」というマシンで、1秒間に36.01テラフロップ(36兆100億回の演算処理)を記録し、これまで地球シミュレータの持っていた35.86テラフロップをわずかに上回った。なおベンチマークにはLinpackが使われたという。
Blue Gene/Lはもともとバイオテクノロジー等の分野での利用を目的に開発されたもので、カリフォルニア州にあるローレンス・リバモア国立研究所には来年この大規模版が納入されることになっている。このマシンには合わせて13万基のプロセッサが搭載される予定だが、それに対して今回記録を更新したマシンは、1万3000基しかプロセッサを積まないプロトタイプだったという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」