トーマツは9月28日、日本のテクノロジー業界の中で過去3年間の売上高成長率が最も高い50社をランキング「日本テクノロジー Fast50」として発表した。第1位となったのは、創薬コンサルティングなどを手がけるメディビックで、成長率は1121%。全体的な傾向としては、生命科学分野の躍進やインターネット/携帯電話向けコンテンツ開発企業の継続的な成長が目立った。
日本テクノロジー Fast50は国内のソフトウェア・インターネット・コンピュータ(周辺機器も含む)、生命科学、コミュニケーション・半導体(部品・機器も含む)の分野の中から、急成長を遂げている企業上位50社をランキング化したもの。直近の3決算期の売上高成長率をもとにしている。
日本テクノロジー Fast50でトップ10に入った企業の代表者たち
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第2位は電子書籍配信のイーブックイニシアティブジャパンで、成長率は1048%。第3位は携帯電話向けコンテンツのドワンゴで同910%。ドワンゴのほか、同じく携帯電話向けのコンテンツを手がけるフォーサイド・ドット・コムが前年に続いて2度目のトップ10入りとなっている。
上位50社を業種別に見ると、ソフトウェア分野が40%と最も多く、ついでインターネット関連分野が28%、生命科学分野と半導体/部品/電子機器分野がそれぞれ14%となった。前年は生命科学分野が6%、半導体/部品/電子機器分野が4%だったことから、大きく躍進したことがわかる。
1位となったメディビック代表取締役社長兼CEOの橋本康弘氏は「欧米に比べて日本は新薬の開発が思うように進まない。それを支援できないかと考えて起業した」と述べ、「(創業時の)2000年頃には同じようなサービスを提供する企業がまったくいなかった。マーケットを開拓したことと、(3年前の)最初の売上高が小さかったことが1位となった理由ではないか」と話す。売上高は2001年度が約3900万円、2004年度が約4億8400万円という。今後は新薬開発の一部を自社で手がけることで、さらなる事業拡大を目指す方針だとした。
2位のイーブックイニシアティブジャパン代表取締役社長の鈴木雄介氏は「毎年『今年こそは電子書籍元年だ』と言われ続けてきたが、2004年に入ってからブロードバンドの普及に伴って顧客が急増していると実感する。これまで漫画の配信に力を入れてきたが、最近では岩波文庫などの“硬い”ものがきちんと売れており、業界内では事件だと言われている」と話す。同社は書籍データを画像化して配信しており、「アラビア語などどんな文字でも配信できる国際性がある。日本発の世界標準を目指し、海外展開をしていきたい」と意欲を見せた。同社は上位10位の中で唯一未上場だが、「遠くないうちに上場する。これから半年かけて市場を見極め、上場スケジュールを決めていきたい」とした。
ランキング上位10社は以下の通り。
順位
会社名
事業内容
成長率
1
メディビック
創薬コンサルティング事業、インフォマティクス事業
1,121%
2
イーブックイニシアティブジャパン
電子書籍配信事業
1,048%
3
ドワンゴ
ネットワークエンタテインメントコンテンツの企画・開発・運用
910%
4
サイバーファーム
ビジネスソリューションサービス、データセンターサービス事業
856%
5
マクロミル
インターネットリサーチ事業およびモバイルリサーチ事業
698%
6
オックス情報
倒産予知ソフトウェア開発・販売、企業財務格付情報提供
679%
7
エム・ピー・テクノロジーズ
ブロードバンド向けミドルウェア開発/サーバベースドコンピューティング
608%
8
フォーサイド・ドット・コム
コンテンツ事業、DVD(EC)事業、広告事業
546%
9
総合医科学研究所
バイオマーカー開発/特定保健用食品申請のための臨床評価業務
523%
10
コネクトテクノロジーズ
携帯電話関連サービスのミドルウェアベンダーとしての技術開発
463%
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