Sun Microsystemsは、Nauticus買収で獲得したスイッチ製品の販売を開始し、ネットワーク機器ビジネスに正式に参入した。だが、競合各社やアナリストらは一様に、Sunにとってこのビジネスが簡単にはいかないと考えている。
Sunは米国時間21日に、ニューヨークで開かれた製品発表会のなかで、スイッチ製品とその他いくつかの製品を発表した。同社では、2004年1月に(ネットワーク機器メーカーの)Nauticusを買収している。
今回発表したスイッチ製品で、Sunは初めてネットワーク機器市場に参入したことになる。同社では、このスイッチ製品をサーバ間トラフィックのロードバランシングに用いて、またサーバからSSL(Secure Sockets Layer)による暗号化/復号化処理を分離させる考えだ。
SSL処理をスイッチ内で行うことで、サーバは他の作業をこなすための処理能力を得ることができると、同社COOのJonathan Schwartzは発表会の席上で説明した。その結果、企業はサーバの数を減らしつつ、より多くの機能を持たせることができるようになるという。
だが競合各社では、新しいライバルの出現を意に介していない。彼らの考えでは、Sunによるネットワーク機器市場への参入が遅すぎたという。F5 NetworksやCisco Systemsといったメーカーでは、しばらく前からSSL機能のサーバからの分離を実現している。
「Sunはサーバが得意という理由だけで、同社からネットワーク機器を買おうとする顧客はいないだろう」と、F5で製品マネージャを務めるJason Needhamは述べる。「Nauticusの技術はSunが買収した段階ではまだかなり未熟なものだったので、われわれはそれほど心配していない」(Needham)
Sunがこの市場で効果的に戦うためには、さらに高度な機能を追加し続ける必要があると、Pacific Growth EquitiesのアナリストErik Suppigerはいう。いわゆる負荷分散(ロードバランシング)スイッチは、セキュリティやアプリケーション・ロードバランシングといった広範囲にわたる機能を取り扱うトラフィック管理機器へと進化することになる、と同氏は説明する。
「純粋なロードバランシング機器の市場は成長していない。市場は単純なウェブのロードバランシングから離れており、メーカーらは同市場においてさらに他の機能を追加する必要に迫られている」(Suppiger)
他の先進機能の例としては、DoS攻撃からの保護といったセキュリティ機能、ソフトウェアによる通信データ圧縮、認証の追加などがある。F5の「Big IP version 9」という最新製品では、これらの機能のほか、さらにいくつかの機能が追加されていると、同社は説明する。Radware、Nortel Networks、Netscalerもまた、セキュリティ・ツールのような多くの機能を追加している。
SunのSchwartzはプレゼンテーションの中でこの事実を認め、サーバのバーチャライゼーション(仮想化)における技術革新が、従来おロードバランシング技術にプレッシャーを与え続けることになると語った。だが同氏は、Nauticusのスイッチに関してさらなる計画を発表することはなかった。
アナリストらは、Sunがネットワーク機器市場で成功できるかどうかはわからないとしている。これまで同市場に参入を試みた他のサーバベンダも、結果は各社まちまちだった。こうした競合各社の歴史を考え合わせると、Sunもまたスイッチ製品の販売に苦労するかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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