F5 Networksは、以前より喧伝していた同社の次世代インターネット・トラフィック管理スイッチを米国時間7日に発表する予定だ。この製品を導入した顧客企業は、ネットワークのパフォーマンスを向上させることが可能になる。
Big-IPの最新バージョンには、これから登場するF5製品のすべてに用いられることになる新しいオペレーションシステム(OS)が搭載される。同OSでは、トラフィック圧縮、DoS攻撃からの保護、TCP/IPレート・シェーピング、SSL(Secure Socket Layer)アクセラレーション、IPv6変換、クッキーの暗号化、認証サポートなどの機能が、1つのハードウェア上に盛り込まれることになる。
ネットワークパフォーマンスが向上すること以外のメリットとして、同製品では1つのハードウェア内に機能を統合することで、管理の複雑さや設備コストの低減も実現できると、同社では説明する。
今回発表されるBig-IPに搭載される新機能の多くは、他の競合ベンダーの製品でもサポートされているものである。NetScalerでは、トラフィック圧縮機能を2年以上にわたり提供している。またNetScalerは、ウェブ通信に使われるHTTPのトラフィックだけでなく、すべての種類のIPトラフィックの高速化にも重点的に取り組んでいる。
F5のもう1社のライバルであるRadwareでも、統合型アーキテクチャを採用している。F5と同様に、Radwareでもコンテンツ・アクセラレーション、接続の最適化、トラフィック圧縮、レート・シェーピング、DoS攻撃からの保護、SSLを使った暗号化通信、アプリケーション・ファイアウォールの機能を提供する。
「市場には、ほかにも統合型トラフィック管理製品が存在する」と、F5のシニアプロダクトマネージャーのJason Needhamは述べる。「だがわれわれは、これら機能をウェブのトラフィックだけでなく、すべてのIPトラフィックに対してまとめて提供できるような、まったく新しいアーキテクチャを開発した」(Needham)
F5 Networksは、1990年代後半にロードバランシング・スイッチ製品を発表した、トラフィック管理市場のパイオニアだ。当時、ロードバランサは、ウェブサーバ間のトラフィックの振り分けのみに使われていた。最近になり、この手の製品は、ウェブベースでないアプリケーションなど、他の種類のトラフィックも管理できるようになってきている。
F5とそのライバルらは、セキュリティ分野に重きを置くようになってきている。今年6月、F5はアプリケーション・ファイアウォールの新興企業MagniFireを2900万ドルの現金で買収した。また昨年には、リモートPCと企業ネットワークをSSLで結ぶ製品メーカーのuRoamを買収している。
「メーカー各社が、ターゲットとする製品エリアや強みの再検討を行うなか、ここ数年にわたり変化が起きている」と、Pacific Growth EquitiesのアナリストErik Suppigerは述べている。「メーカー各社は、ウェブ・ロードバランシングだけの世界から、よりアプリケーション指向へと向かっている」(Suppiger)
F5の新しいBig-IPには3つのバージョンが用意され、1万6995〜3万4995ドルの価格帯で提供される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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