Advanced Micro Devices(AMD)のAthlonチップが持つ64ビット機能を最大限に活用するゲームが米国時間21日に初めて登場した。ただし、これを動かすのに必要なオペレーティングシステムのほうは約1年先まで登場しない。
AMDとAtariは、Atariの64ビット版「Shadow Ops: Red Mercury」がリリースされたことを明らかにした。64ビットアドレッシングが可能なチップは、現在のデスクトップが搭載する32ビットチップよりはるかに大容量のメモリを利用でき、一段と緻密でリアルな描画が可能になる。
世界中のエキゾチックな場所を舞台にし、コンピュータ化された敵との戦闘を中心に展開するこのゲームは、もともと32ビットチップを搭載したMicrosoftのXbox用に開発されたものだった。このゲームを64ビット対応に書き換える作業にはそれほど時間はかからなかった、とAtariの広報担当は語った。
Atariが最初の64ビットゲームを投入した事実はやや意外といえる。AMDは今年に入り、Ubisoftの「Far Cry」やEpic Gameの「Unreal Tournament」の64ビット版が第1四半期に登場すると述べていた。
だが、これらのゲームは、64ビット版Windows XPの遅れを受けて、投入が延期されてしまった。AthlonやIntelのPentiumといったx86アーキテクチャベースのチップ用に設計された同OSは、当初昨年中に出荷される予定だったが、それが2004年末へと延期された。AMDの広報担当は、現在は2005年中旬以降に出荷される見込みだとしている。ただし、この新ゲームを実行できる同OSのベータ版はいまでも入手可能だ。
Linux開発者のなかにはAthlon 64向けの64ビット版Linuxを投入しているところもあるが、これらの多くはワークステーションを利用するエンジニアや、サーバファームを動かすIT管理者向けとなっている。
64ビットデスクトップ機に対応するWindows XPの完成版が出れば、ゲーマーがこれらのシステムの購入に走る可能性が高いものの、市場の大半がこれらをすぐに導入することは考えにくい。4Gバイトのメモリはスピードやメーカーによって約700〜1000ドルもする。これは多くのコンピュータ本体よりも高い。現行のコンピュータの大半はメモリを512Mバイトしか搭載していない。
Intelは過去に、次期Windows「Longhorn」が登場するまで、64ビット対応のデスクトップ用チップは出そうにないと示唆したことがあった。そのLonghornは現在、2006年後半のリリース予定となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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