Jan BaanはかつてビジネスソフトウェアメーカーのBaanを成功に導いたことで最もよく知られているが、その同氏が新たにWebサービスに関心を移し、Cordysという新会社を立ち上げた。
Cordys(本社:オランダ、プッテン)は現時時間16日に業務を開始し、初めての製品ラインとなるWebサービスパッケージを発表した。同パッケージは企業アプリケーション向けの「統一アーキテクチャ」として機能することを目指したものだという。このソフトウェアの名称は社名と同じCordys(コーディスと発音)だ。
1970年代に、いまでも同氏の名を冠するERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアメーカーを創業したBaanは、新会社では最高経営責任者(CEO)を務めることになっている。
かつてはウォール街のお気に入りで、ライバルメーカーのSAPやPeopleSoftと互角に争っていたBaanだが、エンタープライズソフトウェアの市場が縮小の一途をたどった2年間のあいだに、一時は80億ドルを越えていた時価総額がおよそ5億3000万ドルまで急落した。ERPを専門とする同社は、2000年5月に7億800万ドルでInvensysに売却され、2003年7月には1億3500万ドルでSSA Globalが獲得した。現在BaanはSSA Globalのビジネス部門として営業を続けている。
CordysはJan Baanが開発に着手した2001年から「密かに」運営されてきたと、アメリカ地域を担当する同社社長のJustin Andersonはいう。新会社の中心となっているのは、Baanが15年以上も一緒に仕事をしてきた仲間たちだとAndersonは述べた。
Andersonは、Cordysの他社に対する差別化要因として、統一アーキテクチャアのアプローチを挙げた。同社は、ポータルアプリケーション、アプリケーションサーバ、インテグレーションブローカーなどについて、個別にウェブサービス製品を提供するのではなく、これらの技術すべてを融合させるフレームワークを販売する。
「バラバラになっているレガシーシステムを一体化して、新しいビジネスロジックを生み出し、それを統一フォーマットのなかで露出させることができる。大事なことは、これが独自開発のフレームワークではなく、XMLとオープンスタンダードに基づいていることだ。バラバラのシステムを自分で組み立てようとして、あれこれ試みるよりもずっと意味がある」(Anderson)
Andersonによると、Cordysは、特定の企業システムの各要素をまとめることで、企業がさまざまなビジネス機会を特定するのを支援できるはずだという。たとえば製造メーカーは、ERPシステムを使って在庫の状況を把握し、余剰在庫がでた場合には、Webサービスツールを使って自動的にオンライン競売にかけることができ、さらに販売データを営業支援アプリケーションに送ることも可能になる。この結果、メーカーは余剰在庫の処分から売上の流れを作り出せると、とAndersonは説明した。
同氏は、CordysがIBMのWebSphere、Microsoftの.NetやSAPのNetWeaverのような、より強大なライバルからの厳しい競争に直面することなる点を認めた。しかし、これらのWebサービスインテグレーション製品は、Cordysと異なり、各社のエンタープライズソフトウェア製品群と緊密に結びついていると同氏は指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが 日本向けに編集したものです。
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