英国の大手電話会社BTは、WiMaxとして知られる新しい広域対応の無線ブロードバンド技術の実験を、英国内の4つの過疎地域で行おうとしている。この実験が、英国でのWiMaxの本格導入につながる序章となるかもしれない。
この試験運用の一環として、BTは顧客の家庭にレシーバを取り付けることで固定式のブロードバンド接続を提供する。しかしBTは、高速なモバイルのブロードバンド接続をサポートするために、より進んだバージョンのWiMaxについても研究を続けていると、同社は述べている。
BT Retailの新製品統括責任者、Ian Robinsonは19日(英国時間)、「音声サービスや携帯性など、WiMaxの潜在的なメリットが実現されれば、WiMaxのサービス展開を広げる根拠となるかもしれない」と述べた。
BTの試験サービスは、スコットランドのファイフ州バリングリー、ウェールズのプルヘリ、コーンウォール州ポートレヴェン、北アイルランドのキャンプシの4地域で実施されている。
Robinsonはロンドンで開催されたIIR ISP Forumでの講演のなかで、BTは無線ブロードバンドサービスを、さらに多くの過疎地域で提供していきたいと考えているが、ただしその場合、地元の自治体からの助成金が必要になるだろうと語った。
しかし、長期的に同社が目指しているのは、ブロードバンドの展開から取り残された地域に留まらず、それ以外の場所でもWiMaxサービスを提供していくことだ。
ブロードバンドの固定アクセスで利用されているWiMaxのバージョンはIEEE 802.16dとして知られているものだが、これとは別にIEEE 802.16eと呼ばれる高度なバージョンの開発も進められている。802.16eは移動中でも利用でき、携帯電話が周辺の基地局から電波を受信するように、ノートパソコやPDA(個人情報端末)から離れた場所にあるWiMaxアンテナへのアクセスが可能になる。
Intelは、Wi-Fiを積極的に支援したのと同様に、WiMaxにも多大なサポートを行っている。同社は先週、2004年中には802.16チップの生産に入ると見ており、また2006年には同技術を内蔵したノートPCが市場に出回ると予想していると述べた。
「今年中には確実にチップの生産を開始するだろう。802.16を内蔵したノートPCが登場するのは、具体的に言うのは難しいが、おそらく2006年になると思う。このスケジュールなら充分実現できると感じている」と、Intelモバイルプラットフォームグループのバイスプレジデント、Anand Chandrasekherは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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