一時消滅していた「MyTunes」が今週になって再びリリースされるなど、このところApple ComputersのiTunesソフトウェアを音楽ファイル共有ネットワークの中核機能に変えてしまうツールが増えている。
「MyTunes Redux」は、「OurTunes」などの他のソフトウェアと同じく、同一のローカルネットワーク上にあるほかのiTunesユーザーのマシンから楽曲を自由にダウンロードできるようにするものだ。
同ソフトウェアは、コンピュータ間で音楽をストリーミング配信するiTunesの機能を利用している。この機能は、ホームネットワーク内の別のコンピュータに保存された曲を聴く目的で用意されたものだ。ただし、Appleはファイル自体をダウンロードすることは認めていない。
MyTunesを開発したBill Zellerは、ほかの独立系プログラマー同様、iTunesの利用方法拡大に関心があっただけだ、と語っている。同じくほかのコンピュータから曲をダウンロードできるようにしたZellerのオリジナルのソフトは、Appleによって4月に無効にされており、同氏は米国時間7日、「Redux」バージョンのリリースに不安があったことを明らかにしている。
「Appleからはまだ何の連絡も無いが、もし彼らがこれを気に入らなければ、共有機能を完全に無効にしてしまうかもしれない。そのような事態は避けたい。だが、同じ機能を持つOurTunesがすでに出されている」(Zeller)
著作権侵害に対して用心深いレコードレーベル各社の願望と、人気の高いミュージックジュークボックスソフトに新機能を搭載したいという自社の願望との均衡に尽力してきたAppleにとって、アンダーグラウンドソフトのリリースは常に悩みの種となってきた。
iTunesの初期バージョンでは、ローカルネットワークだけでなく、インターネット全体に自分の曲をストリーム配信することができた。しかし、インターネットラジオ局の開設や、いつでも他人のハードディスクのなかを検索して曲を再生できるようにするツールの開発が進んだため、Appleはこの機能を無効にしてしまった。
ZellerによるMyTunesのオリジナル版は、iTunesに追加インストールする形になっていた。そして、iTunesが別のユーザーのミュージックライブラリにアクセスするために出すリクエストを模倣し、iTunes自身が搭載するストリーミング機能の代わりにダウンロードを実行するようになっていた。Appleは4月に、自社のジュークボックス/ミュージックストアをアップグレードした際、このソフトウェアを排除するようにしていた。
Zellerの新しいMyTunesも、先行して出されたOurTunesも、それぞれDavid Hammertonという豪学生の研究成果を利用している。同氏は昨春に、AppleがiTunesソフトの内部で利用している暗号技術の一部をクラックする方法を明らかにしていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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