米Apple Computerは、iTunesの最新版から、同ソフトの音楽ファイル共有機能に制限を課す。これは、同機能を使って、ネット越しにファイル交換を行った一部のユーザーの行為を受けてのもの。
5月27日火曜日(米国時間)にリリースされたiTunesの最新アップデート版バージョン4.0.1では、ネット上での音楽ファイル交換に悪用された機能が削除されている。これにより、iTunesの曲目リストをネット上に公開することができなくなり、音楽をストリーミング配信できる対象がローカルネットワーク内に制限されることになった。
「新たに出たiTunes バージョン4.0.1では、Rendezvousを使った音楽共有が、当社の意図するローカルネットワーク内での利用に限られ、ネット越しではこの機能は解除される」とAppleは声明のなかで説明している。
Appleは、iTunesの新機能を、見ず知らずの他人との音楽ファイル交換に利用したユーザーの行動に「落胆した」と述べている。
「一部のユーザーによる、ネット上でのRendezvous音楽共有には、驚きと落胆を感じた。私たちは、友人や家族が、家庭などにある複数のコンピュータで、手軽に音楽を(コピーではなく、ストリーミングで流して)楽しめるようにと、この機能を設計した。だが、この機能を悪用してネット上で音楽を流し、面識さえない人にそれを聴かせているユーザーが居る」(Apple)
Appleでは、27日火曜日に、自動アップデート機能を設定しているユーザー向けに、新たな制限をかけたiTunesを配布し始めたが、いまのところ同社ウェブサイトのダウンロードページからは未だ入手できない状態。同社の代表者は、この新バージョンにどんな機能追加があったかとの問い合わせに対しては、即答を控えた。
それにもかかわらず、Appleは「すべてのiTunes 4ユーザーはバージョン4.0.1にアップグレードすべき」と述べている。
iTunes 4は、先月AppleのiTunes Music Storeのサービス開始と同時にリリースされていた。
iTunesを利用して自分の音楽コレクションを交換しているユーザーが存在するものの、Appleでは同社オンラインストアで販売した音楽ファイルに使われている暗号を破った者はいないと説明した。「iTunes Music Storeは、現在まで大成功を収めており、私たちが盗用防止のために組み込んだメカニズムはうまく機能している。iTunes Music Storeで販売した音楽は、最大3台のMacintoshコンピューターでのみ再生可能で、この不正コピー防止機能が破られたケースはまだない」(Apple)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」