日立製作所の米子会社、Hitachi Global Storage Technologiesはハードディスクをスリム化した。同社では、家電メーカーがオーディオプレイヤーや他の製品にこれを採用することを期待している。
同社は米国時間1日に、直径1.8インチのディスクを内蔵しながら、簡素化したコネクタ技術を用いることで全体のサイズを小型化した、新しいハードディスクを発表した。
「コンシューマ向けの携帯機器では、部品を収めるスペースが非常に限られており、われわれがこの1.8インチ製品で省スペース化にフォーカスし、メーカー各社がさらに小さく薄い製品をつくれるようにしたのもこのためだ」と同社ゼネラルマネージャのBob Holleranは声明のなかで述べている。
長い間パソコンや大型のコンピュータで使われてきたハードディスクにとって、家電製品は急成長中の市場だと見られている。東芝製の1.8インチHDDを搭載したApple Computerの音楽プレイヤー「iPod」は圧倒的な成功を収めており、同様に日立製1インチHDDを搭載した「iPod Mini」も人気が沸騰している。
デスクトップPCでよく使われる3.5インチ以下の製品に関して、市場での競争が激化しているのも、別に驚くべきことではない。ハードディスク大手のSeagate Technologyは、先ごろ1インチ製品の市場に参入した。また、SeagateとWestern Digitalの2社は、1インチ製品を製造するCorniceを相手取り、特許侵害訴訟を起こしている。Corniceはつい最近、Seagateを反訴したばかりだ。
調査会社のGartnerによると、1.8インチのハードディスクは昨年全世界で270万台出荷されたという。これに対し、今年は最初の6カ月間で、すでに約320万台が出荷されている。
Hitachi Global Storage Technologiesによると、新しい「Travelstar C4K60」シリーズは家電向けの製品で、動作速度は4200RPM。20Gバイトと30Gバイトの2モデルが提供され、値段のほうはそれぞれ125ドルと160ドル(小売価格)になると見られているが、ただし同社広報によると大量購入時の価格はこれとは異なってくる可能性があるという。同社では現在、テスト目的のサンプル製品を出荷しているところだ。
この新製品は、同社の既存1.8HDD製品と比較して実装を10%縮小したと同社は述べている。
同社によると、新製品ではノートPC向けのハードディスクに採用されている標準的なコネクタではなく、ZIF(Zero Insertion Force)を用いたことでサイズを小型化できたという。ZIFコネクタはピンの数が少なく、ケーブルも薄いほか、家電製品によく使われているもの。そのため、このハードディスクは家電製品に組み込みやすいように設計されている。
Gartnerのアナリスト、John Monroeによると、ZIFコネクタのほうが信頼性が高いという。しかし同氏は1.8インチディスクの将来性について懐疑的で、1インチ以下の製品のほうが潜在市場が大きいと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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