米Microsoftの企業向けアプリケーションスイート「Microsoft Office」のコラボレーションソフトの専門メーカーであるWorkshareが企業に対し、文書内に隠されているデータの危険性について注意を呼びかけている。
Workshareは23日(米国時間)、文書内に隠されたメタデータの危険性について情報を掲載したウェブサイト「Metadatarisk.org」を立ち上げた。同サイトでは、所定のウェブサイトに掲載された文書内のメタデータを自動的に分析し、その内容を明らかにする、Metafindと呼ばれるツールをダウンロードできる。
「Microsoft(製ソフトを使って作成された)文書内に隠されているメタデータは25種類ほど存在する」と語るのは、Workshareのプロダクトマネジャー、Matthew Brownだ。「複数のユーザー間で使い回される文書の数が多ければ多いほど、リスクは高まる」(Brown)
文書内に隠れ、それを見れば文書作成者から削除されたテキストまであらゆる情報が分かるメタデータは、企業にとってリスク要因となっており、その危険性は高まりつつある。英国のTony Blair首相は昨年、彼の主張するイラク介入の正当性を高める目的で書かれた文書に、英政府の公式な立場を否定する内容のメタデータが含まれていたことから、窮地に立たされた。またLinuxを敵視するSCO Groupが作成した法的文書のメタデータをCNET News.comが調査した結果、同社が当初、Bank of Americaを提訴する計画だったことが分かった。
Brown によると、WordをはじめOfficeアプリケーションには、文書が他者と共有される前にメタデータを削除するツールが含まれているが、全てのユーザーが必ずしも利用しているわけではないという。Brownは、「企業はメタデータの扱いについて、方針として決めておく必要がある」と述べ、さらに「(メタデータの)後始末についてきちんとした方針を策定し実行しなければ、極めて危険だ」と警告した。
Workshareの社名と同名の同社製品にはメタデータを削除するためのツールが含まれている。この製品は、企業のOffice文書共有/管理能力の向上を目的としている。また同社は、文書が企業のネットワーク外に送られる前にメタデータを自動的に削除するWorkshare Protectという製品も販売している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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