米司法省の司法長官補佐、PtoP規制法案を批判

 米司法省のある高官が23日(米国時間)にPirate Act法案を批判する発言を行った。同法案は、連邦検察官による著作権侵害者の提訴を奨励するもので、著作権侵害に悩むレコード業界はこの法案を高く評価している。

 反トラスト担当司法長官補佐Hewitt Pateが、米上院が6月に圧倒的多数で可決したPirate Actと呼ばれる法案に対する疑念を表明した。同法案は、PtoP技術を用いて著作権を侵害する個人ユーザーに対して民事訴訟を起こすことを米政府に認めるもので、侵害者に脅しをかけ、侵害行為を防止する効果が期待されている。

 PateはProgress & Freedom Foundation(PFF)主催の会議の中で、「(Pirate Actは)多少割り引いて考える必要がある」と述べた。

 Pateによると、Pirate Actやその他の著作権関連法案に関する司法省の正式な見解は、作業部会が今秋、John Ashcroft司法長官に提出する報告書の中で明らかにされるという。Ashcroftは今年3月に知的財産権に関する作業部会を創設し、会長にはDavid Israeliteが就任した。

 全米レコード協会(RIAA)は、現在、刑事罰を求める権限しか与えられていない連邦検察官に民事訴訟も認めるPirate Actの成立に向け、ロビー活動を行ってきた。RIAAの政府担当シニアバイスプレジデントMitch Glazierは23日、Pateの発言はさほど否定的なものではない、と語った。Pirate Actが立法化されれば、著作権侵害者にどれだけの打撃を与えるかを検察官が決められることになる、というのがその理由だ。

 Pirate ActはPtoP企業側の著作権専門弁護士やロビイストの間に不安を引き起こした。彼らは、レコード業界が多くのPtoPユーザーに対して起こした訴訟を不安を抱きながら見守ってきた。司法省はこれまでよりもはるかに積極的な行動に出る可能性がある、と彼らは警告する。

 Orrin Hatch上院議員(共和党、ユタ州選出)はPirate Actへの支持を表明した際、「(著作権侵害を)阻止するには何万件もの民事訴訟を継続的に起こしていく必要があるだろう」と述べ、さらに「そのような運動を起こせるだけの資金や人的資源、あるいは道徳的権限を持ち合わせている非政府組織が存在するとは思えない」と語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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