ハイテク企業が警戒を強める中、米著作権局は新たな法案を支持しようとしている。この法案は、PtoPネットワークだけでなく、著作権侵害目的で使用される恐れのある家電製品もすべて非合法とみなす内容のものだ。
米著作権登録局のMarybeth Petersは、米国時間22日に開催される上院の聴聞会で、この法案の支持を表明する予定だ。CNET News.comが確認したPetersの声明文によると、同氏は、Induce Act(誘発法)について「現行法の重要な改善」と述べている。一方、反対派は同法案を、Apple ComputerのiPodのような製品の存在を危うくするものと批判する。
Petersは、同法案を支持する政治家以上に強く賛同の意を示し、1984年の最高裁の判決について「科学技術が進歩した今の時代に合うような、柔軟な規定になるよう、内容を見直すべきだ」と述べる。5対4の小差で確定した同判決は、VCRについて、「著作権侵害に当たらない多くの使い方がある」ため、同製品の販売は合法だとしている。ある連邦裁判所はこの判決を拡大解釈して、GroksterやMorpheusなどのPtoPネットワークも合法として扱った。
本来、中立の立場にある著作権局が同法案を支持することにより、ハイテク企業と著作権所有企業の間の闘いはさらに複雑なものになりそうだ。ハードウェアベンダやEコマース企業などのハイテク企業側は、自社製品が著作権侵害目的に使用された場合に法的責任を問われることを心配する一方で、著作権所有者側は、PtoPネットワーク上でまん延するコピー行為に気をもんでいる。Induce Actには、「著作権違反を故意に誘発した者」は法的責任を問われると記されている。
7月21日付けのWall Street Journal紙が掲載したオピニオン記事で、昨年Intelエグゼクティブバイスプレジデントの座を退いたLes Vadaszは、Induce Actを、望ましくない副次的効果を生み出すとして非難している。「このような法案が革新に与える恐ろしい効果を過小評価すべきでない」とVadaszは記している。
7月6日付けの上院議員に宛てた書簡の中で、40以上の業界団体や権利擁護団体がVadaszと同様の意見を表明した。CNET Networks(News.comの発行者)、eBay、Google、Intel、MCI、TiVo、Verizon、Sun Microsystems、Yahooが署名した書簡には、Induce Actは「革新を妨げ、技術に対する投資を海外へ追いやるものだ」と書かれている。
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