オープンソースオペレーティングシステム(OS)のLinuxをめぐりIBMとSCO Groupの間で争われている訴訟で、IBMは先ごろ連邦地裁に対して行なった申し立ての中で、SCO GroupによるLinuxソフトの配布を禁止するよう求めた。
IBMは18日(米国時間)、ソルトレークシティの連邦地裁に部分的略式判決を求める申し立てを行った。IBMは、Linuxソフトを配布するための最も一般的なライセンスの1つに定められている条件にSCOが違反しているとして同社に対し反訴しているが、今回行なった申し立ての中で、IBMの主張を支持する判決を下すよう同地裁に求めた。
IBMの広報担当は今回の申し立ての内容について詳細なコメントは避けた。一方、SCOの広報担当は、同社はすでにIBMの申し立てに対して反論しており、間もなく裁判で応酬する予定だと述べた。
IBMは申し立ての中で、GNU General Public License(GPL)が無効と主張する一方でGNU GPLによって管理/保護されているLinuxソフトを配布しているSCOにLinuxコード、特にIBMが開発に貢献したコードを配布する権利はない、と主張している。SCOは、法的文書の中でGPLは米国の憲法に違反していると主張するなど、GPLを激しく非難してきた。
IBMは申し立ての中で、「SCOは許可なく、IBMが書いたソースコード16種類をそれぞれ別々のパッケージ製品からコードをコピーし、それらを同社のLinux製品の一部として配布した。これらのソースコードは著作権で保護されている」と述べ、さらに「Linux開発においてIBMが貢献した部分は著作権で保護されているが、GPLの条件の下でそれらをコピー/修正/配布することが認められている。しかし、SCOはGPLを否定/拒否し、同ライセンスに違反した。従ってSCOはGPLを根拠にIBMの著作物をコピー/配布するための許可/ライセンスを取得できない」と主張している。
IBMは同申し立ての中で、SCOがIBMのLinux関連の著作権を侵害したとする部分的略式判決と、SCOによる著作権侵害の疑いのあるLinuxコードの配布を禁じる終局的差し止め命令を下すよう求めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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