Cisco Systemsは米国時間10日に第4四半期の決算報告を行ったが、この電話会議のなかで今後の見通しについて厳しい見解を示したことから、同社の株価は11日に大きく値を下げた。
Ciscoが10日に発表した四半期決算は、好調な売り上げのおかげで利益が過去最高を記録するなど、概ね好ましいものだった。だが、同社最高経営責任者(CEO)のJohn Chambersが、顧客が慎重な姿勢を示していることや、近い将来に関して精彩を欠く売上予想を述べたため、多くの投資家の間で疑念が広がった。
同日、少なくとも2つの投資銀行がCisco株の評価を変更した。Merrill Lynchは同社株を「buy」から「neutral」へ、またJP Morgan Chaseでは、「neutral」から「overweight」へと格下げしている。
Ciscoの株価は同日、2.17ドル(10.6%)安の18.29ドルで取引を終えた。
同社幹部らは、前日の電話会議のなかで、現四半期の売上が横ばいか、あるいはわずかな上昇にとどまる見込みだと語ったが、同四半期は例年売上が伸びない時期にあたる。またChambersは、一部の企業顧客が経済情勢全般について懸念を抱いていると指摘した。
このニュースは、アナリストや投資家らを落胆させた。
「なかには受注が大幅な伸びを示している部門もあるが、次の四半期にはわずか0〜2%の成長にとどまる」と、Merrill LynchのアナリストTal Lianiは、投資家向けの調査報告のなかで述べている。「市場参加者と話をした結果、次の四半期の見通しは悪化するとの結論になった」
アナリストらはまた、前四半期から約8%上昇した在庫水準にも懸念を抱いている。Ciscoの在庫水準は(その前の)第3四半期には20%上昇していた。この在庫の積み増しで、同社に部品を提供する半導体メーカーらに対する投資家の見通しが影響を受けることになるだろう。
Ciscoは、第4四半期に14億ドル(1株あたり20セント)の利益を記録した。なお、前年同期の利益は9億8200万ドル(1株あたり14セント)だった。
一時的な費用を除いた同社の利益は1株あたり21セント。また第4四半期の売上は、昨年の47億ドルから26%上昇して59億3000万ドルとなっている。なおReutersの集計したアナリストらの予想では、売上が58億9000万ドル、1株あたりの利益は20セントだった。
第4四半期における売上の伸びは、その多くがイーサネットスイッチやIPルータなど従来のビジネスで記録したもので、これらの製品カテゴリについては、多くのアナリストが好調な売り上げを予想していた。だがセキュリティ関連やIP電話、SAN(Storage Area Network)、無線製品などを取り扱う、Ciscoの新しいAdvanced Technologies(先進技術)部門では、アナリストらの期待ほどの成果を挙げられなかった。
同グループで扱う製品の売上は前年比で70%増加したが、四半期ベースの成長率は今会計年度を通じて低下し続けており(Merrill LynchのLiani)、第1四半期には20%だったものが第4四半期には5%となっている。
セキュリティ関連製品は、合わせて約10億ドルの年間売上を残しており、同グループの扱う製品のなかでも最大の売上となっている。これらの製品からの売上は、前四半期比で実際に2%低下した一方、IP電話や無線、ストレージ関連製品の売上は増加したと、Lianiは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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