Ciscoがこれまでで最大規模のインターネット電話機販売契約を発表しようとしている。
Ciscoは13日(米国時間)、Boeing CompanyがIP(Internet Protocol)電話機の主要仕入先として、同社を選んだことを発表する。BoeingはCisco製の電話機を使って、従来の電話網からIPベースのネットワークへ移行する。
Boeingのネットワーク統合担当プログラムマネジャー、Mike Terrillによると、このプロジェクトは開始から終了までに5〜7年ほどかかるという。商用ジェット旅客機や軍用機、さらに米国の宇宙計画用装置の製造を手掛ける世界最大規模の飛行機メーカーである同社は、米国48州および世界70カ国に15万人以上の従業員を抱えている。
Boeingは2001年からCiscoのVoIP(Voice over IP)技術のテスト運用を実施しており、その試験的プログラムには全米のおよそ800人の従業員が参加している。今年4月、同社は太平洋岸北西地区で、初めて正式にVoIP技術の導入・設置を開始した。
Terrillによると、BoeingがIPベースの電話網への移行を決断した最大の理由は、コスト削減にあるという。同社は、音声/データの2つのネットワークを1つのIPネットワークに統合することにより、数百万ドルの保守・管理コストを削減したい考えだ。また、IP電話はネットワーク内であればどこでも簡単に移動できるため、ネットワーク上の電話の追加/移動/変更にかかる費用を減らすことで、多額のコスト削減が可能になると考えている。
CiscoとBoeingは共に、契約の見積総額についてはコメントしていない。またBoeingは、入札に参加した他企業の社名も明らかにしなかった。
BoeingがVoIP関連機器の仕入先としてCiscoを選んだことは、特に驚くべきことではない。というのも、Ciscoは1988年以来、データネットワーク向けのIPルータ/スイッチをBoeingに提供してきたからだ。いまや、Boeingは世界でも最大規模の企業内データネットワークを保有しているが、その大部分はCisco製品で構築されている。
Boeingとの契約締結は、CiscoのIP電話事業が勢いを増すなかで発表された。同社は2002年8月に、IP電話機の出荷台数100万台を達成したが、ここまでにかかった時間は3年半だった。出荷台数は、その1年後には200万台に達し、さらに今年4月には300万台にまで増加している。Ciscoによると、毎日6000台以上の従来型の事業用電話機が同社のIP電話機に取り替えられている計算になるという。
Cisco製品に対し批判的な顧客も中にはいるが、同社がIP電話機市場でナンバーワンサプライヤーであることに変わりはない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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