Microsoftのウェブブラウザ「Internet Explorer(IE)」の新バージョンが今週リリースされる。同社がIEに大幅な変更を加えるのは約2年ぶりのことだ。
Windows XP Service Pack 2(SP2)の一部であるこの新バージョンは、主としてここ数カ月で明らかになったセキュリティに関する一連の欠陥を修正することに焦点をあてたもので、またいくつかの機能も追加されている。
だが、ブラウザ市場の競争が激化し、またMicrosoftが顧客に詳細なフィードバックを呼びかけていることなどから、IEにはもっと大規模なアップデートがあるのでは、との憶測がネット上で飛び交っている。同社がこの前にIEの大型アップデートをリリースしたのは3年前のことだが、ウェブ開発コミュニティでは、同ブラウザのアップデートのペースが遅いため、オンラインでの技術革新が遅れている、との声が高まっている。
ニューヨーク州ロングアイランドのRobert Dumasは、「ほかのブラウザは最近6カ月間ですべてアップデートされたが、Internet Explorerは3年もアップデートが出ていない。Microsoftのような企業が、最も機能の乏しいブラウザを出しておくべきではない」と語った。同氏はフリーランスのウェブ開発者で、Microsoftに新機能を要求する多数のユーザーの1人だ。
しかし、同社は今週、Internet Explorerの新バージョンは次期Windows「Longhorn」のリリースまで計画がないことを重ねて強調した。
Microsoftの広報担当者は、「現時点では、新しいスタンドアロン版のIEをリリースする計画は全くない。現在の計画では、Windowsの大型バージョンのリリースに合わせて、IEに新しい機能を追加することになっている..... Windowsのリリースに合わせてIEのアップデートを出せば、導入やサービスの回数が減り、顧客の利益につながる」と話している。
MicrosoftのInternet Explorerは、America Onlineが1999年初頭にNetscapeを買収した直後から、ネットの世界を独占してきた。これについて、IEの独占で競争がなくなり、ほかのプラットフォームが伸び続ける中で、ウェブブラウザ技術だけが停滞する結果となってしまったという批判もある
Microsoftはこうした批判に反論し、ブラウザはもはや単独で動作するソフトではなく、またエンドユーザーにはすぐにはわかりづらいブラウザの機能をはじめ、Windows全体で相当な数の革新的技術が追加されているとしている。
この前にInternet Explorerの大型リリースがあったのは2001年のことで、この時にバージョン6.0が登場した。その後2002年にはWindows XP Service Pack 1のリリース時に小規模なアップデートが行われ、そして今週また新たな変更が加わることとなった。
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