カリフォルニア州サンノゼ発--複数のデータソースに散在する情報を効果的にリンクさせることは、大型データウェアハウスプロジェクトで課題となる分野だが、IBMはこれに対応できるデータベースソフトウェアの開発を終えようとしている。
MineLinkというコード名のこのテクノロジーは、当地にある同社のAlmaden Research Centerで開発されたもので、たとえ異なるラベルが付けられていても、関連情報を含むデータフィールドを発見してくれる。
たとえば、あるデータベースでは「苗字」というラベル名が付けられているフィールドが、別のデータベースでは「名前」となっている場合、データを統合する際に問題が発生する可能性がある。これは単純な例だが、異なるフィールドを突き合わせることは、たびたび、コンテンツの複雑な分析を必要とし、企業が収集したデータをさらに掘り下げて分析したい場合は処理が複雑になる。
ライフサイエンス分野で用いられるMineLinkのプロトタイプは、2002年にすでに、IBM研究者によってデモンストレーションが行われている。そのプロジェクトでは、DB2データベースソフトウェアの既存の分析テクノロジーDiscoveryLinkを使用したが、複雑な情報について統一したビューを提供できるように、データマイニング機能を追加していた。
IBMはこれまで、同テクノロジーを特に積極的に推進してきたわけではなかったが、同社の主力製品であるDB2データベースへの統合計画は着々と進んでいる。
「MineLinkはここ1〜2年のうちにDB2製品に統合されるはずだ」と、Almadenのユーザーエクスペリエンス研究グループ担当シニアマネージャーSteve Cousinsは述べた。
予定どおり進めば、MineLinkのいくつかの要素はDB2の後継バージョンであるStingerに取り入れられるはずだ。Stingerは、現在ベータ段階にあり、年末までにリリースされることになっている。
企業向けデータベースの分野では現在、Oracle、IBM、Microsoftの3社が熾烈な争いを繰り広げている。世界のリレーショナルデータベース売上の4分の3は、この3社が占めている。市場調査会社IDCの2003年のデータによると、Oracleの世界シェアが39.8%だった一方で、IBMのシェアは31.3%だったという。MySQLのようなオープンソース製品は、多くのユーザーが無料でダウンロードしているため、この調査の対象には含まれていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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