富士通研、樹脂基板上にセラミック膜を形成・多層化する技術を開発

 富士通、富士通研究所は、産業技術総合研究所と共同で樹脂基板上に高誘電率のセラミック膜をほぼ常温で形成・多層化する世界初の技術を開発したと発表した。

 従来、エポキシ系の樹脂基盤の耐熱温度は300度程度で、形成に高温を要求されるセラミックスを用いたコンデンサを埋め込むことは困難だった。しかし、今回開発した技術により低温形成を可能とし、あわせてセラミック膜の誘電率400という高誘電率化と多層コンデンサの形成をも実現した。これにより形成したコンデンサの容量密度は1平方センチメートルあたり300ナノファラッドと、非常に高い値を達成できるとしている。

 この技術を採用することで、コンデンサを内蔵したプリント基板およびパッケージ、様々なセラミック製素子(フィルター、アンテナなど)を集積化したモジュール、高周波電子部品などに応用できるという。これにより製品の多機能化や、小型化、高周波化、低価格化などが期待できる。

 同社は、今後もより高い誘電率を有するセラミック誘電体の低温形成と、素子応用に適した特性を持つセラミック膜の開発、プリント基板中へのコンデンサ形成の実用化と開発を進めていく予定だ。

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