以前のバージョンのWi-Fi携帯電話機は、1つではなく2つのチップセットを動かす必要があるためバッテリーの消耗が激しく、惨敗に終わった。ユーザーが手動でネットワークを切り替えなければならなかったのも失敗の原因だった。しかし少なくとも電話機メーカー1社(Motorola)は、ネットワークの自動切り替えの問題は解決した主張する。それを受けて、携帯電話キャリア各社は、クリスマスまでに目の回るようなシナリオを実現すると約束している。例えば、顧客は職場のWi-Fiネットワーク上で通話を始め、会社の建物外に移動中に携帯電話ネットワークに接続先を切り替え、自宅のワイヤレスネットワーク上で通話を終えることが可能で、しかも全て通話を中断せずにできるといったシナリオだ。
費用面での障害少なくとも当面、Wi-Fi携帯電話機は、高価なものとなり、ビジネス顧客向けに販売されることになるだろう。
例えば、HPの6315 iPaqは従来の携帯電話ネットワークとWi-Fiネットワーク間の切り替えを行う機種だが、その価格は500ドルで、これにはT-Mobileとの年間契約を結んだ場合の100ドル値引きされる。T-Mobileは8月26日前後にこの電話機の販売を開始する予定だ。
この値段は、カラー画面のカメラ付き携帯電話を50ドル以下で購入してきた大半の携帯電話ユーザーにとっては高すぎる。
しかも、顧客はワイヤレスブロードバンドに月額40〜80ドルを支払うことになり、全米のWi-Fiホットスポットネットワークへの無制限アクセスを追加すればさらに月額20〜40ドルが加算される。
「費用面での障害が数多く存在する」とSprintの広報担当は述べ、「ネットワーク間の自動切り替えのような機能にキャリアが付ける価格を、喜んで払う顧客は多くない」と付け加えた。
Motorolaは、同社の新型ハイブリッド電話の主なユーザーは企業となるだろうと言う。同社は、より広く普及している802.11bまたは802.11gワイヤレス標準ではなく、もっぱら企業で採用される802.11aのWi-Fiワイヤレス標準をサポートする選択をしている。
「これらの電話機は、一般消費者を狙ったものではない」とMotorolaのビジネス開発ディレクターChris Whiteは言う。
キャリア各社が自社のWi-Fi電話機販売の重点を一般消費者に向けるようになるまでには、あと2年程度かかると、一部の専門家は考えている。
「ほとんどのキャリアは、消費者向けのビジネスモデルをまだ構築していない」とAvayaのマーケティングアライアンスディレクターのMack Weatherbyは言った。「しかし、消費者向けの販売を行うキャリアは今後増えるだろう」(Weatherby)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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