Microsoftは長年にわたり、携帯端末・携帯電話市場に食い込もうと努力してきた。そして今、消費者の心をつかむヒット製品の開発を託されたのがYa-Qin Zhangだ。
Zhangの経歴を考えれば、これは不可能な挑戦ではない。難題へのチャレンジは彼が得意とするところだ。Zhangは1998年末にMicrosoftに入社し、ゼロから中国の研究センターを立ち上げた。現在、この研究センターでは500人以上のスタッフが働いている。
Zhangは今、Windows CEとWindows Mobileの開発責任者を務めている。それほど大きいとはいえないこの赤字部門を、本社の注意を引くに足る存在に変えることが彼の新しい任務だ。
問題は技術に関することだけではない。携帯電話などのメーカーはこれまで、PC市場の二の舞を演じることを恐れて、Microsoftとの提携をしぶってきた。この状況を打開するために、MicrosoftはWindows CEのソースコードの改変をデバイスメーカーに許可することを決定する。改変部分については、競合他社はもちろん、Microsoftにも公開する必要はない。CNET News.comはZhangにインタビューを行い、スマートフォンの未来について話を聞いた。
--MicrosoftのSmartphoneオペレーティングシステム(OS)のデビューは順風満帆とはいえないものでした。この経験から何を学びましたか。また、過去の問題についてはどんな対策を講じていますか。
スマートフォンのようなネットワーク接続型デバイスでは、通信事業者との連携が鍵を握ります--多機能デバイスの場合はなおさらです。初代のスマートフォンに問題があったわけではありませんが、産業そのものが新しいので、通信事業者にとっても、OEMメーカーにとっても、当社にとっても、今は学習の時期なのです。
--率直に申し上げて、初代のスマートフォンには品質の問題がありました。携帯端末や組込コンピューティングの世界では許容される問題も、通信事業の世界では大量のクレームにつながりかねません。
われわれはこの数カ月、品質と安定性の向上を最優先課題として、大量のエンジニアリングリソースを投入してきました。デバイス--特に通信事業者が慣れていない新しいタイプのネットワークに対応したものや、マルチスレッド/マルチタスクの複雑なOSを搭載したものは、何度も試験を繰り返す必要があります。当面は、試験と品質管理にさらに力を入れていくつもりです。
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