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Linuxに283件におよぶ特許侵害の可能性--米調査

Stephen Shankland(CNET News.com)2004年08月02日 20時27分
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 オープンソースのオペレーティングシステム(OS)であるLinuxを利用または販売する顧客向けに、知的財産権侵害訴訟から身を守るための保険を販売するOpen Source Risk Management(OSRM)によると、LinuxはMicrosoftが保有する27件の特許を含めて、合計283件の特許権を侵害している可能性があるという。ただし、今のところ裁判所の判例で有効性が認められた特許は一件もない。

 この分析は、民間の特許監視団体Public Patent Foundation(PPF)の設立者兼事務局長のDan RavicherがOSRMの要請で行ったものだ。OSRMは保険会社のような存在で、Linuxの著作権侵害訴訟に対する法的保護サービスを販売している。OSRMはこの事業を特許訴訟の分野にまで拡大する計画だ。

 OSRMによると、Linuxが侵害している可能性のある特許283件のうち98件はLinux関連の企業連合が保有しており、主な例ではIBMが60件、Hewlett-Packard(HP)が20件、Intelが11件保有しているという。Ravicherは数カ月間かけて、Linux OSの基幹部分に当たるカーネルの2.4と2.6の2つのバージョンを調査したという。

 Ravicher によると、OSRMの特許権侵害訴訟に対応する保護サービスは2005年の年明けに開始予定で、最大500万ドルの訴訟費用と和解金支払いを補償するタイプが年間15万ドルだという。

 OSRMが今回のサービスを企画した背景には、コードを自由に共有するオープンソース(プログラミング)支持者と、プロプライエタリ技術を重視するプロプライエタリソフト業界の間の相互関係が時に不安定な状態に陥るという事情がある。両陣営の摩擦は、SCO Groupが、契約条件に反して同社の専有技術であるUnixのソースコードをLinuxに組み込んだとして、IBMを提訴したのをきっかけに深刻な問題と化した。

 そして、この問題に対する関心はさらに高まっている。HPのある幹部が2年前に書いたメモが最近公表されたことにより、Linuxの特許権侵害のリスクが浮き彫りになった。また、Linuxの宿敵であるMicrosoftは今年、3000件の特許を新たに申請する予定で、特許を重視する姿勢をさらに強めている。

 Ravicherによると、OSRMはLinux関連の知的財産権侵害訴訟を起こされるかもしれないと懸念を抱く顧客を相手に利益を上げるが、Linuxユーザーが増えれば同社の市場が拡大することもあり、オープンソース運動への参加に躍起になっているという。

 同社では、オープンソースの擁護者Bruce Perensが幹部を務めるほか、UnixとLinuxの詳細な技術的歴史の編纂に協力してもらうために、SCO問題を扱う人気ウェブサイト「Groklaw」を運営するPamela Jonesを雇用している。またRavicherもLinuxをはじめ数多くのオープンソースプログラムの法的基盤となっているGeneral Public License(GPL)を策定したフリーソフトウェア財団(FSF)を代表している。

 Ravisherの見解では、283件の特許を根拠にLinux関連の特許権侵害訴訟が起こされる可能性はあるが、裁判所が実際に侵害の事実を認めるのか、あるいは特許の無効判決を下すかは何ともいえないという。Ravicherによると、これまで裁判で争われた特許のうちのおよそ半数は無効と判断されたという。

 同氏によると、この数字はLinuxと同等のパッケージ製品にとっては特別高い数字ではなく、例えばMicrosoftも数件の特許訴訟を起こされているという。

 Ravicherは、現在の米国の特許法の問題点は、個人や企業が自分の製品が特許権を侵害しているか否かを調べる意欲を損なっている点にあると指摘する。

 Ravicherは「(特許侵害の)認識があり、侵害の事実が発覚すれば、裁判所から(3倍の罰金刑を)言い渡されることになる」とした上で、「(侵害の)認識もなく、(侵害行為を)見ていないと主張すれば、裁判所は罰することはできない。この点で、(米国の特許法は)歪んだ法律といえる」と述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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