新規公開(IPO)の際に株価を維持する目的で投資家を誤解させたとして、Salesforce.comの株主グループが同社を相手取り、集団訴訟を起こした。
先月行われたSalesforceのIPOで同社の株式を購入した投資家の代表が、米国時間7月29日遅く、ノースカロライナ州東部地区の連邦地方裁判所に訴えを起こした。Salesforceを相手に株主が同様の主張で訴訟を起こしたのは、これで3件目となる。
法律事務所のSchiffrin&Barrowayが発表したところによると、創業者兼最高経営責任者(CEO)のMarc Benioffと取締役のSteve Cakebreadは、投資家にとって「不利な」情報を適切に開示しなかったと、原告側は訴えているという。
「同社は、自社の売上高と一株当たり利益が着実に下がっているという事実を知っていた、あるいは無謀にもその事実を無視していた。被告は、株価をつり上げる目的でIPO時に上述の事実を隠し、1億2600万ドルもの資金を調達した」と、原告側は主張している。
Salesforce.comは、この件についてコメントを避けた。
CRMソフトウェアをWebベースで配信するサービス企業のSalesforceは今年6月にIPOを行い、ここ数年間で最も成功した事例として、その動向に注目が集まった。
だが先々週、会計年度2005年の業績見通しを発表した際に、同社は1億6500万ドルの売上高と1株当たり3セントの利益を計上する予定だと述べ、その直後に、株価は27%も値を下げた。この見通しは、Thomson First Callが集計したアナリストらの平均予測値(売上高1億7500万ドル、利益1株当たり6セント)を下回る内容となった。
Salesforceに対してはすでに、Charles PivenとLerach Coughlin Stoia & Robbinsという2つの法律事務所がそれぞれ、同社および同社の1人かそれ以上の責任者や幹部を相手取って集団訴訟を起こしている。Pivenは27日、Lerachは26日にそれぞれノースカロライナ州東部地区の連邦地方裁判所に訴訟書類を提出した。両訴訟とも、被告がSalesforceの財務見通しに関して、著しく誤りのある、あるいは誤解を招く表現を行ったと主張している。
Salesforceの30日の終値は、売り出し価格の11ドルと比べて約18%増の13.01ドルとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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