ジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC)、楽天証券、ジェット証券の3社は7月27日、TVアニメーションを投資対象とした個人投資家向けファンド「アニメファンド!」を組成すると発表した。9月13日より募集を始める。
同ファンドが対象とするのは、講談社のヤングマガジンUPPERSで連載している漫画「バジリスク 甲賀忍法帖」を原作としたTVアニメ「バジリスク(仮称)」。アニメーションの制作はゴンゾが担当する。出資は一口5万円で、ファンド総額は2億4000万円。
左からゴンゾの梶田浩司氏、ジェット証券の釜野真宏氏、楽天証券の國重惇史氏、JDCの土井宏文氏。右はバジリスクのポスター |
配当は同作品のDVD/ビデオの国内販売で得た収益が充てられる。利回りは最大10%だが、JDCなどの機関投資家よりも優先的に配当を受けられるため、「ミドルリスク・ミドルリターンの商品だ」とジャパン・デジタル・コンテンツ代表取締役社長の土井弘文氏は説明する。配当をDVDなどの収益に限ったのは、「TVアニメの収益のうち、80〜90%はDVDなどの売上によるもの。また、ゲームやキャラクターグッズに比べて収支情報がわかりやすい」(ジャパン・デジタル・コンテンツ プロジェクトマネージャーの岩崎明彦氏)という理由によるものだ。
個人投資家への販売は楽天証券とジェット証券が行う。同作品のプロモーションについては、「楽天市場やポータルサイトのinfoseek、ストリーミングコンテンツポータルのShowTimeなど、楽天グループが持つ機能を最大限活用する」(楽天証券代表取締役社長の國重惇史氏)という。
楽天証券では2002年に中国雑技団の日本公演を対象にした金融商品の公募を行ったことがある。國重氏によると、「2億円の募集はすぐ売り切れた。ただし公演のチケットの売れ行きは鈍く、リクープ(投資回収)はできなかった」とのことだ。また、ジャパン・デジタル・コンテンツは昨年12月に新人アイドルを投資対象とした「新人グラビア☆アイドルファンド」を発売するなど、コンテンツの資金調達方法の開発を手がけている。
バジリスクは山田風太郎氏の小説「甲賀忍法帖」をせがわまさき氏が漫画化したもの。単行本の累計販売本数は4巻で100万部以上という。今年6月には第28回講談社漫画賞を受賞している。
TVアニメは2005年4月から6カ月間、全24話が放映される予定。ただし放送局は未定で、「BS/CS局の可能性が高い」(JDC)という。DVDの価格等は未定だが、単価を7800円、全12巻で試算した場合、1巻につき1万本販売できれば収支がトントンになる見通し。「ゴンゾが過去に制作した作品のほとんどは1万本以上売れている」とゴンゾ代表取締役社長の梶田浩司氏は自信を見せた。
ファンドの募集期間は9月13日から2カ月間。2006年2月に中間決算、8月に最終決算を発表し、配当を行う予定としている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」