次世代ネットの準備を進めるICANN--IPv6ドメインの割当開始へ

 Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)は先週、インターネットプロトコルの最新版を使ったIPアドレスとドメイン名の割り当て準備が整ったことを明らかにした。

 ICANNはマレーシアのクアラルンプールで開催された会合で、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)の最新バージョンを、DNSルートサーバシステムに追加したことを明らかにした。

 IPアドレスは、インターネット上で情報パケットを正しいサーバに渡すためのもの。現行のIPv4では32ビットアドレス(通常は「123.45.67.89」などと記述)を使っており、いずれは数が不足してしまう。一方、IPv6はこれより長い128ビットアドレスを使うため、割り当て可能なアドレスが増加する。しかし、これらの長いアドレスをICANNのルートDNSサーバが理解できないと、その場所を特定することができない。DNSサーバはインターネット上の各所に配置され、IPアドレスとドメイン名の情報を把握している。今後は、IPv6サービスを申請したい企業や個人も、IPv4アドレスを持つシステムと通信できるようになる。

 IPv6は当初、日本(.jp)と韓国(.kr)の国別コードでサポートされる。その次はフランス(.fr)が加わる予定だ。

 Infonetics Researchのアナリスト、Michael Howardは、「ICANNがIPv6アドレスとドメインをまだ割り当てていなかったことに驚きを感じる。これはIPv6の発展と導入に必要なステップの1つだ」と語った。

 ネットに接続するモバイル端末が増え、IP電話などの新しいサービスの人気が世界中で高まるなかで、IPアドレスに対する需要も拡大している。そして、最初にIPアドレスが不足しそうなのは、アジアとヨーロッパの国々だ。これには、両市場の消費者の方が米国よりも新技術の導入が早く、そしてヨーロッパやアジアには元々割り当てられたアドレスが少なかった、という2つの要因がある。その一方で、米国にはどの国よりも多くのIPアドレスが割り当てられている。

 米国では、IPv6の導入がはるかに遅れると思われている。しかし、米国防総省の支持によって民間への導入が加速される可能性もある。同省は2003年6月、2008年までにIPv6に対応するよう全防衛施設に対して通達を出している。同省は、IPv6技術をテストするサービスプロバイダーや機器メーカー向けのテスト環境、Moonv6ネットワークの開発を支援してきた。

 なお、専門家はIPv4とIPv6が今後長年にわたって併存していくと述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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