米連邦地裁は、スパム送信プロセスの一部にMicrosoftの製品名を不正使用した疑いで提訴されたカリフォルニア州在住の男に対し、同社に400万ドルの賠償金を支払うよう命じた。
Microsoftが米国時間15日に発表したところによると、カリフォルニア州中央地区連邦地裁のManuel Real判事は、カリフォルニア州カノガパーク在住のDaniel Khoshnood被告、および同被告が経営するPointcomとJoshuathan Investmentsの2つの企業に対し、略式判決を言い渡したという。
この訴訟で、Microsoftは、Khoshnood被告が、受信者を誘導しデスクトップツールバーソフトをダウンロードさせることを目的とした異なる2種類のスパムメール送信活動を行ったと主張した。また同社の主張によると、同被告は、自分のメールを売り込むため、自らをMicrosoftの主力製品であるWindowsオペレーティングシステム(OS)のアップデートサービス関係者であると偽ったという。
先週言い渡された同判決について、Khoshnoodのコメントは得られなかった。
Microsoftが2003年6月に同地裁に提出した訴状によると、Khoshnoodは、Microsoftが運営するポータルサイト「MSN」およびウェブメールサービス「Hotmail」のユーザーに対し、件名に「Windows security warning (Windowsセキュリティ警告)」と書かれたメールを大量に送信したという。
訴状によると、それらのメールは、ユーザーをKhoshnoodが運営するウェブサイト(www.windowsupdatenow.com)に誘導する内容のもので、同サイトには、Microsoftのセキュリティパッチをアップデートするにはツールバーをダウンロードしなければならないと書かれていたという。これを受けて、Microsoftは、商標権侵害、虚偽広告、「サイバー・スクワッティング」を理由にKhoshnoodを提訴した。なお、サイバー・スクワッティングとは、インターネットドメイン名を利用し、他人の商標を使って利益を得ようとする行為を指す。
これまで、スパマーらによる顧客への迷惑メールの送信および商標の不適切な使用を阻止するための戦いを続けてきたMicrosoftは、今回の判決を同社の大勝利と位置づけた。Khoshnoodは賠償金の支払いに加え、自ら登録したMicrosoftの商標と酷似するドメイン名(www.hottmail.com、www.microsoftc.com、www.wwmsn.comなど)の永久剥奪を命じられた。
Microsoftのインターネット関連安全対策担当弁護士、Aaron Kornblumは、35万2000ドルの弁護士費用の支払い命令を含む今回の判決は、(スパム活動を行えば)捕まって起訴されるという、スパマー予備軍に対する1つの教訓になるだろうと語る。
Kornblumは、「今回の判決は、このような(スパム)活動を行なえば厳しい法的責任を問われることになるというメッセージだ」と述べ、さらに「スパム活動の最も魅力的な要素の1つは、コストがほとんどかからない点にあるのだから、スパマーへの損害賠償請求は、彼らの活動を阻止する上で重要な手段だといえる」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス