IBM、Power5搭載の新Unixサーバを発表--SunとHPを追い抜けるか

Stephen Shankland (CNET News.com)2004年07月14日 10時33分
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 IBMは米国時間13日に新世代のUnixサーバを発表する。同社では、この強力な新サーバで競合するSun MicrosystemsやHewlett-Packard(HP)を追い抜けると期待している。

 既報の通り、IBMは新しいPower5プロセッサを採用したローエンドおよびミッドレンジモデルを発表する。今回発表になるのは、デュアルプロセッサのeServer p5 520、4プロセッサのp5 550、16プロセッサのp5 570の、あわせて3つのモデル。これらの新世代システムシステムは性能が向上し、複数のオペレーティングシステム(OS)を同時に稼働することが可能になっている。なお、これらのサーバは8月31日までに出荷される予定だ。

 IBMの新サーバは強力で、しかもUnixサーバ販売第1位のSunと第2位のHPがともに無防備な時期に投入される、とアナリストらは述べている。「SunとHPは競争力のある新しい技術の開発に取り組み始めたところで、まだ製品が存在しない」とForresterアナリストのBrad Dayは指摘している。

 Illuminataのアナリスト、Jonathan Euniceも同様の評価を下している。同氏は、Sunが富士通のハイエンドSparc64プロセッサを採用し、またHPでも自社製PA-RISCからIntelのItaniumに切り替えている状況に触れ、「IBMは現在、製品サイクルで非常に強力な状態にある。これに対して、競合各社はプロセッサの移行問題のため、若干勢いが下がり気味だ」と述べた。

 今回初めて、IBMのp5システムと、5月に発売されたi5システムシリーズのハードウェアが全く同一になる。この結果、IBMのエンジニアリングリソースを支える顧客基盤が拡大することになる。また、両製品の統合のおかげで、IBM版のUnixである「AIX」とミッドレンジマシン用の「i5/OS」、そしてRed HatもしくはNovellのLinuxという3つの異なるOSがシステム上で同時に動かせる。

 IBMフェローでeServerマイクロプロセッサ・システム開発担当最高技術責任者(CTO)のRavi Arimilliによると、64プロセッサモデルなど、さらにハイエンドのUnixモデルは年内に発売されるという。また、顧客が関心を示すようであれば、より小型で高速なPower5+チップを搭載したシステムが2005年にリリースされるのにあわせて、128プロセッサ搭載マシンも出る可能性がある、と同氏は付け加えた。

 IBMのサーバ戦略ディレクターJim McGaughanの話では、p5 520の価格は、メモリ1Gバイト、2基の1.65GHz Power5プロセッサ、36Gバイト・ハードディスク2台という構成で、1年間のAIXサポート付きの場合、1万1185ドルからとなっている。ちなみに、McGaughanは同社Unixサーバグループの立ち上げメンバーの1人だ。

 一方、p5 550は1.65GHzプロセッサが4基、メモリ8Gバイト、73Gバイトのハードディスクが2台という構成で3万2487ドル、p5 570は1.9GHzプロセッサ16基、32Gバイトの高速DDR2(ダブルデータレート2)メモリ、73Gバイトのハードディスク2台で、50万3090ドルだ。AIXの年間ライセンスはプロセッサ1基ごとに、520と550の場合年間1080ドル、570は年間1950ドルとなる、とMcGaughanは述べている。

 各サーバメーカーにとって、Unixサーバ市場は旨みのある分野だ。この市場は、一方に強力だが高価なメインフレーム、もう一方にはMicrosoftのWindowsで動く安価だが比較的成熟度に欠ける86系サーバがあり、その間に挟まれる形で存在している。IBMは1990年代のUnixブームを逃してしまったが、その間にSunの金庫にはたくさんの売上金が流れ込んでいた。

 だが、その後IBMがPower4搭載サーバを投入し、加えてSunがトラブルに陥ったことから、IBMはUnix市場でのシェアを拡大してきている。調査会社のGartnerによると、2003年のIBMの売上は13%増加し41億ドルに達した。一方Sunは16%減少して54億ドル、HPも4%減の53億ドルだった。

 IBMは、90年代に急成長したSunに虚を突かれたことを認めている。「私がPowerプロセッサの設計責任者に任命された時には、課題は1つしかなかった。われわれは(Unix市場での)戦いに戻らなくてはならないという、ただそれだけだった。Power4チップの開発は、われわれにとって生死を賭した任務だった。IBMの市場シェアがあまりに小さかったため、われわれは素早く走り続けるしかなかった」(Arimilli)

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